スポーツでもビジネスでも、
才能を開かせるには、ある程度または相当の努力が必要だ。
一方、生まれ持ったものですうっとできてしまうものが、ある。
声に関することだ。
例えば、歌。
(声楽など特殊な技法を要するものは例外)
歌うことは究極、その人の声の出し方の「癖」なんだろうと思う。
「このひと、いい歌を歌うな〜」と感じさせる歌手は、
大抵その初期にある程度の「独自のスタイル」が出来上がっている。
例えば、忌野清志郎、桑田佳祐。
美声、歌が上手い、という一般的な形容では言い尽くせない、
「く〜っ!いいなあ・・・」と感じさせる。
のど自慢大会などで、めっぽう上手い人が時々いる。
技術的には上手くても、やっぱり何か足らない、と感じるのは、
自分スタイルが歌っていないからだろう。
スピーチプレゼンでも同じことがいえる。
技術が高い、つまり、単にキレイに、サラサラ上手に話すスピーチプレゼンは、聞いていて全く面白くない。
そこに、その話し手だけの個性がかけ合わさっているからこそ、
「いい話だなあ」と感じられる。
技術と個性がどれほど絶妙なバランスでかけ合わさっているか。それが魅力の度合いだ。
よく「上手く話す方法」「上手いと言われる話し方」などの文言を見かけるが、
「話すことが上手なこと」と「いいなあ〜と聞き手の心を動かすこと」は違う。
人は、ひとりひとり顔や体が違うように、呼吸、声質、声の出し方、体の使い方、考え方が違う。
だから、自分スタイルの話し方が誰にでもある。
要は、それを発揮しているかどうか。
どうせ話すなら、
清志郎や桑田佳祐のように、自分だけのスタイルで話そうではないか!
「話、お上手ですね」と褒められて終わりではなく、
「いや〜いい話でした!今度また聞きたいです!」
そう聞き手の心を動かす話し手になろうではないか。
これは私のポリシーである。
お客様お一人お一人の魅力を引き出した「話すスタイル」を見出すことを目指している。
すでに始まったAI時代。
AIはきっと「うまい説明」をすることはできるだろう。
だが「う〜ん、いい話するなあ!」と、聞き手を唸らせる、創造的な発信をできるようになるのかどうか?
(できたのなら、それはAIがアーティストになれるということだ)
AIが上手に説明するのであれば、
人間である我らは、己にしかない絶妙なバランスの「話すスタイル」を見出せば良い!
あなたにしかできないスピーチプレゼンを!
そして、あなたの話し方のスタイルは、すでにあなたの中にある。
それを外に出すか、出せるかどうか?
上手く、ではなく、自分らしく。
「話し方は生き方」です。
森