エディー・ジョーンズとの対話①守りと攻め | 社長のスピーチコーチ 森 裕喜子のプライベートブログ

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経営者やトップアスリートのスピーチコーチ、森裕喜子が日々のプライベートな出来事などを綴ります。(2021年8月よりプライベート版に改定)

人前で話すことは、スポーツに似ている。

ラグビー日本代表ヘッドコーチ エディー・ジョーンズとの対話 (Sports Graphic N.../文藝春秋
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この類の本からは、別分野であっても学びが多々あるので面白い。

先ほど読んでいたら、これは!とぶち当たるところがあったのでブログing.




本書でエディーコーチによると、


ジュニアを育てる段階においては・・・

~ディフェンスよりもアタックのスキルが重要である

~ディフェンスは3つか4つの約束事、プラスメンタルがあれば自ずと向上する

~アタックには「決断」が必要になる。ゆえに、子供の頃から積み重ねる必要である


おお!!

これはスピーチプレゼンに変換できる!!!

 (良き話し手になるには、良き聞き手になることが大前提である。その視点で)

ディフェンス(守り)を「聞く力/情報を受けとること」とし、
アタック(攻撃)を「話す力/情報を発信すること」に置き換えると、こうなる。


スピーチプレゼンで成長する段階においては・・・

~ディフェンス(聞く力)はいくつかの約束事とメンタルがあれば自ずと向上する

~アタック(話す力)は「相手の領域に入る決断」が必要になる。
 ゆえに、努力を積み重ねる必要がある。



まず聞く力は、方法を頭で理解すれば自ずとできるようになっていく。

しかし、発信することは簡単ではない。
発信した結果の目標を決め、発信内容を決め、発信しなくてはならない。

発信する、とは、相手に自分の考えを届けること、相手の領域に踏み込むこと。

だが、この「相手の領域に踏み込む」は、日本人が概して苦手とするところだ。

ここに、話し手として成長することの難しさがある。
「相手の領域に踏み込む=アタックする決断を下す」ことに、躊躇が生じるのである。

なぜ躊躇するのか。

人とちがうことを自ら表明することを恐れる気持ち、である。
出る杭になるリスクを恐れるからである。
自分の意見に対して何か言われるのを恐れるから、である。

後々のことを想像すると、どうしようかな、これでいいのかな、という”思い”が決断を阻む。

だが、その”思い”、実は「思い込み」であることが非常に多い。

思い切って発信してしまうと、意外とうまくいく。
一度このブレイクスルーを経験すると、本来持っている力が遺憾なく発揮できるようになり、
人前で話すことがおもしろくなってくる。


本書エディー氏よれば、
一般に日本のスポーツはディフェンス練習に時間を費やすことが多く、
日本は守りの発想に支配されているという。
ラグビーにおいて必ずしも望ましいことではない、とある。


スピーチプレゼンにおいても同様だ。
相手の領域に踏み込んで発信する勇気と決断ができていないから、
ガツンと伝わるものがなく終わってしまう。


スピーチプレゼンは話し手と聞き手による試合ではないし、ましてや勝ち負けはない。
しかし、聞き手が大勢いるのに対し、話し手はたった一人。
しかも話し手が場をリードしなくてはならないから、相当のパワーが必要になる。
スピーチプレゼンは話し手にとって相当にタフなコミュニケーションなのだ。

話し手が守りに入ったら、もうどうにもならない。
思い込みを捨てて、自分からどんどん出て行く決意を持って挑んで欲しい。




森 裕喜子