安倍首相:成長戦略第2弾スピーチ | 社長のスピーチコーチ 森 裕喜子のプライベートブログ

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経営者やトップアスリートのスピーチコーチ、森裕喜子が日々のプライベートな出来事などを綴ります。(2021年8月よりプライベート版に改定)

本日、日本アカデメイアにおいてスピーチが行われました。

「本日は原稿を読ませていただきます」
と前置きされました。

話の枕から場に笑いが出るなど、大変に良い場の雰囲気で始まりました。

場が和み、話し手と聞き手がひとつになると、非常に話しやすくなります。
例えば軽い笑いが出ると、聞き手が声を発する=息を吐くことになるので、
物理的にも聞き手がリラックスするわけです。

また、話し手もそのリラックスした雰囲気を鏡写しに受け取る~ミラーリング~ので、
当然、安心して話し出すことが出来ます。

理想的な「場作り」ですね。


さて、場作りがしっかり出来たあと、本文スピーチとなりました。

本文のスピーチでは、
以前にも増して、
言葉が生きており、伝わって来る話し方であるという印象を受けました。

その理由は大きく2点です。

①重要な言葉がはっきり、活き活きと伝わってくる
②目線を活用している


まず①について。

余計な言葉がなく、しっかりと絞り込まれており、
さらに、
その中でも重要な言葉はカッコ書き 「 」  でくくったように、明確に話しておられます。

「    」の言葉は、声を高くしたり、大きくしたり、あるいはその逆にしてみたり、など、
声の要素を使い分けて豊かに表現をされています。

また、「  」の言葉の前、または前後には、適度な間が取られており、
ゆえに、さらに「      」の言葉が立っています。


このように、
声の使い方と、間の使い方により、
言葉がはっきりと、生きて伝わって来るのです。


②目線

原稿は手元にあるため、時折下を見なくてはなりません。
しかし、時間にすると、およそ半分は聞き手のほうを見ながら話されています。
また、大事な言葉や文末では、聞き手のほうを見ておられます。


文末には顔を上げて聞き手を見るというのは、
皇室の方々がお話される際にも、必ずと言って良いほど行っておられる話し方です。

「聞き手に向けて直接話しかける」意識があれば、自然と、こうなるでしょう。


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取って出しで、ざっとレビューしてみました。


原稿を読むとなると、
どうしても「読んでいる」感じになってしまい、
「話しかけている」にはほど遠くなってしまうことがままあります。

ですが、そうならずに伝える方法がある、という好事例でした。


言葉が自分のものになっており、
単に原稿を読んでいるようには聞こえない、
力強く伝わるスピーチは、リーダーには必須。


国のリーダーがこのようなスピーチをしてくださることは、
聞き手である国民にとっては、大変に価値のあることだと、改めて感じました。



スピーチ内容そのものにも、
大変に興味深く具体的な項目が沢山含まれていました。
詳細は、首相官邸HPの映像でご覧になれます。

http://www.youtube.com/watch?v=S0eGPcCI3HQ&feature=youtu.be


森 裕喜子