サッチャーさんの映画を観た。
1度目は、涙が出てしまって微細なところを観られなかったので
2回目は、細かいところを観ようと思った。
一言で言うと、
舞台や映画すべてひっくるめて、ここ数年で一番好きな作品!!
生きることと仕事(=人生のミッション)。両方が深堀されるような思いがした。
心が動いた3つの要素は、言葉、演技、衣装。
まずは言葉。いいセリフがたくさんある!
例えば「何をするかdoingが大事だ。しかし人は何かにbeing成りたがる。」
然り。
「考えが、その人に成る」What we think, we become.
これもいい!実際には長い言葉なのだが、その最後にこれが来る。
細かくは書かないが、ぜひ映画で聞いて欲しい言葉がたくさんある。
実際にサッチャーさんやお父様が言った言葉がちりばめられている。
リーダーの方、リーダーを目指す方なら、沢山の言葉が見つかるはずだ。
次に役者の演技
(声や話し方、姿勢など、ボイスイメージ全般)。
メリル・ストリープは、本当にすごい。すばらしい。
目の開き方、声の出し方、ふとした仕草など、とにかく全部意味がある。
役者だから実際の人物を「観客に伝わるようにわかりやすく表現」しているわけだが、
こういった、わかりやすく、かつ素晴らしい表現作品を観ることは、
この点に関する私の最大の興味は、
サッチャーさんが首相立候補する際のボイストレーニングシーンだった。
議員の頃は「甲高い声でキンキン話す」高い声だったが、
それが何よりも首相には不適格ということで、発声を変えるのである。
ボイトレ部分の映像は短いが、呼吸を深くし、カラダに共鳴させて楽に声を出すことをやっている。
確かに議員当時の甲高い声での話し振りは、
声がおでこ当たりに声を当たっており、息は前に出ていない。
首相になった後の力強い声では、
あばら辺りから背中の胴部分で
声が鳴っており、
胸郭を使った深い呼吸で、息がよ~~~~く前に出ている。
子音のキックも実に激しく強く、母音の響きも深い。
当然、口から出て来る言葉の味わいは深くなり、
インパクトは強烈になり、
表情も変わる。
む~。メリル・ストリープはこれを自分1人でトレーニングしたというから、
ものすごい分析観察力と再現脳力だ。
話す際に胸郭が動いているのが服の動きでわかる。
声を変えたければ呼吸だ。それに尽きる。(そうなりたい方は「ベルト巻き」が役立つ♩ふふふ。)
もちろん、スピーチシーンは、ものすごい。
嵐のようにすごい、としか言えない。
現場で観たら、どれほどすごかっただろうか。
やはり
話すことは、その人そのものなのだ。
早く、こういったスピーチのトレーニングがしたい。
最後は、衣装。
お洋服、そして何よりアクセサリーがステキ!
若かりし頃は薄い水色だが、
首相になると、
青が深くなり、ロイヤルブルー、やがて濃紺のスーツ。
ゴールドやパールのアクセサリーが美しい。
ブローチが珠玉、もう垂涎モノ!
退任前あたりから服が一気に赤系統に代わり、これまたドラマになっている。
男性のスーツや靴、ネクタイも見物です!!!
ハンガーまでも素敵!ロイヤルワラントがついている?ようでした。
ああ、イギリスだな~。
ついでにいうと、インテリアも、ものすご~く素敵なので、本当に楽しめる!!
邦題は「鉄の女の涙」となっているが、原題は「Iron Lady」だ。
なんで「涙」なんかつけたんだろう。理解できない。
そもそもLadyなんだから、女じゃなくて女性だ。
日本語で解釈してはいけないのだ!!
メリル・ストリープのすばらしい仕事と、サッチャー元首相の生き方にパワーをもらった映画だった。
是非、観てください。
JUDY