空になった二つのブランコが、揺れていた

昼間の風情をわずかに残して、光が落ちた

知られずに流した涙の痕跡を、影がおおう


そろそろ終わりにしようか〜


一番聞きたくなかった言葉が、空を抜ける

いつか来るからと塞いでいた、耳元裂いて

時が運ぶ無情に吹くからっ風、痛み伝える


そろそろ終わりにしようか〜


背を向けて僅かな震え隠して、小さく頷く

もっと早く出逢いたかったと、抱きしめて

帰るあてある見慣れた背中が、遠のいてく





空になった二つのブランコが、揺れていた

帰るあてのない冷えた温もり、胸におさめ

残像乗せて揺らぐブランコを、ただ見つめ


そろそろ終わりにしようか〜


聞きたくなかった言葉を何故、かみしめる

空を仰ぐと無数の小さな星が、浮いていた



あまりにも遠くから放つ光は、淡く輝いて

明日を向く足元も照らさない、極な夜の道




(言葉の魔法ーーボイスA i K)