かっぱ寿司、
くら寿司、
はま寿司、
日本にいるとどの街にも回転寿司のチェーン店がありますね!
ちょっとリッチなカウンター寿司のお店も、都会ならどこででも見つけられます。
ところで、イタリア人に寿司を食べさせたらどんな反応すると思いますか??
ということで、ウチの大家さんから
「ヨースケ、寿司パーティーやろう!本物の寿司をみんなに食べさせてくれ!」
と頼まれて、彼らがどんな反応をしたか、ここに記録していきたいと思います。
まあ、イタリアやフランスに観光旅行する時に、現地の人に寿司を握ってあげる機会なんて絶対ないですよね😅
観光地回るのに忙しいです!
というわけで、極めて珍しいとはおもいますが、もし留学されたり国際結婚される方には役立つ話かと思われます!
✅イタリアでまずは材料をそろえる
そもそも日本にお住まいの方でも、ウチでお客さんに寿司をにぎって振る舞うことはないですね😅
お魚をさばかないといけないし、なんか難しそうだし。
さて、寿司を握るには
①よく切れる包丁
② 新鮮な魚介類を買ってくる
③海苔やお米やお酢をそろえる
この3つです。
まず包丁は、日本から持ってきた両刃のものを、研ぎ石でジャリジャリ研ぎ、スッパスッパに切れるように用意しました
ちなみにイタリアでは包丁のことをコルテッロ coltello と言います。
ステーキを切るようなナイフもコルテッロ。 つまり、日本みたいな区別がないんですね。
日本は刀とか、刃物へのこだわりが強いんでしょうね!
なので、包丁の研ぎ方が、イタリアは金属の棒でジャッジャッと撫でるだけのようです
日本式の包丁研ぎをやっていたら、お客さんたちが「ええーー」という顔でみてました
続いて魚介類!
イタリアは海に面した国ですから、内陸の街でなければどこでも新鮮な魚が買えます。
ただ、イタリアの漁師さんは、雨の日や寒い日は漁に出ないそうで、、、
必然的に冬場は養殖ものが多くなるようです
マグロ、サーモン、アジ、サバ、、
日本の皆さんが大好きな寿司ネタは、イタリアでも普通に手に入ります。
「えっっっ?! 外国のお魚を、火を通さないで食べても大丈夫??!」
「おなか壊すんじゃないですか??」
と、気になりますよね。
僕もイタリアで寿司を握る前まではそう思っていました!
でも、日本の仙台や京都で魚市場に通い、鮮度抜群の魚介類を毎月じいっっと観察し続けた結果、、、
「活き〆」「血抜き」以外は、イタリアでもフランスでもイランでもブラジルでも変わらないと考えるようになりました!
日本でも漁師さんが「活き〆」「神経〆」をする魚としない魚がありますから、なおさら、外国だろうと日本だろうと同じかと。
しかしこの差はかなり大きくて、日本の魚市場に出るような鮮度の魚を見つけたことはまだありませんね。。
今回は、歯ガツオという魚と、ボラ、それにアジを寿司ネタとして選びました!
さて、最後は食材!
お米は日本からコシヒカリを持っていきました
寿司メシは硬めに炊くものですから、イタリアの硬水でも問題なかったです
米酢はアジア食材の店に売ってました
砂糖お塩をいれ、お鍋で炊いたコシヒカリにまぜて完成です
✅テーブルの用意をする
さて寿司を握る用意ができたら、今度はテーブルの用意です!
ヒノキの一枚板のカウンターがあれば一番ですが、ウチには大理石板のテーブルしかないのでそこです
刺身の醤油皿があればいいですが、イタリアには小皿を使う文化がないです。
というのも、イタリア料理では、
1 前菜 アンティパスト
2一品目 プリモピアット
3ニ品目 セコンドピアット
4デザート ドルチェ
という四段階でお食事が進んでいく習わしだからなんです。
お料理をとりわけるのではなく、一人一枚のお皿でお料理が運ばれてきます。
ミラノやフィレンツェなどで、日本人観光客になれているお店に行けば、小皿を出してくれますけれども!
というわけで、お醤油皿には、急遽、コーヒーカップのお皿を代用!
大きさがちょうどいいんです。
お箸もなかったので、ここはフォークとナイフ。
✅寿司を握って食べてもらう
さて!
ということで、いよいよ寿司を握ります。
ほどほどに冷ましたシャリに、一口サイズに切ったネタを載せてギュギュ
この作業自体はほんの30秒。
握った寿司を、次々に大皿の上に載せていきます。
歯ガツオ、ボラ、アジと、順に握っていきます
寿司を手か箸でヒョイっとつまみ、醤油をちょんとつけて食べる、、、
が、、、あるイタリア人女性が、自分のさらに置かれた寿司を見て、ナイフで半分に切り始めたんですね!
「ちょっと待ってくれ!」
「えっ?!なんで?!」
イタリアのテーブルマナーでは、出された料理は肉でも魚でも一口大に切って口に運ぶもの。
でも、寿司を切ろうとしたら、ネタとシャリがバラバラになって見た目が悪いですね。。
そこで、集まってくれたみなさんに、寿司ってこうやって食べるという解説をしました。
元々、江戸の忙しい町人が、仕事の合間にサッと食べて忙しなく出ていくような、ファーストフードが寿司の始まりと言われています。
すると、
「え?!うっそ?! だってニッポンの寿司って一人2万円も3万円もする高級品なんじゃないの?」
と、ある男性が言いました。
それもそのはず。
欧米では、日本に関するドキュメンタリーがよく放送されています。
それで、新宿駅の恐ろしほどの喧騒、品川駅港南口の整然とした朝のラッシュの行列、渋谷のハロウィンのド派手なコスプレなど、わかりやすい情報が彼らに強い印象を与えているんですね。
中でも寿司は高級品というイメージが強いようです。
「ショーグンや皇帝(インペラトーレ)とか貴族が食べるものだと思ってた!」
というコメントも!
いや、むしろ、江戸時代当時の魚介類の保存方法から考えたら、えらい人たちが生物を食べるということは考えづらいですよね。。
そもそも侍階級は外食御法度だったそうですし。
ちなみに、寿司を握ってテーブルに出して解説した直後、イタリア人たちの目線が僕にじいっと集中しました。
「・・・」
「ん?何?」
「ヨースケは食べないの??一緒に食べようよ!」
「あ、そうだね」
これは、ホームパーティでは日本でもよくあることですね! 料理をしている人がなかなか食べられないものです。
ましてや寿司となれば・・・
寿司は握ってから30秒が一番美味しく食べられると言います。
一流店であれば、お客さんがすぐに食べられなかった場合、握り直してくれることすらあるものです。
その辺をイタリア語で解説したところ
「そう。じゃ食べようよ!」
と一緒に食べることになりました。
✅巻き寿司を食べてもらう
さて、寿司を一人5貫ほど食べてもらったところで、、、
大の大人が七人ほど。
イタリア人は日本人の2倍の量を食べるということを考えると、到底、一人で寿司を握っていても間に合わないということに気づきました。。。
そこで、海苔巻きを作ることに!
竹でできた海苔巻きを巻くやつはないので、やむをえず布巾を使います。
お米を等辺に装って、きゅうり・・・
イタリアにはきゅうりがない!
あっ
どうしよう・・・
ということで、一番見た目が近いズッキーニで代用してみました!
マグロは手に入らなかったので、シーチキンの缶にマヨネーズを配合した、ツナマヨ巻きに!
これがあっという間にできて美味しい!
イタリア人たちにも好評でした。
ちなみにシーチキンのことをイタリアではトンノtonnoと言って、パニーニの具材に使ったり、スパゲティのソースに使われます
アメリカでもカリフォルニアロールと言って、海苔巻きが大人気だということ。
イタリアでの日本風料理店でも、海苔巻きはポピュラーです。
✅すき焼きを振る舞う
大人七人に一人で寿司を作っては食べさせるというのは、到底、人手が足りないことがわかりました。。
なので、肝心の食事中の写真は一枚もありません💦
「お腹すいたー!」
と急かしてくるイタリア人たちのため。
そこで、少しでもお腹に溜まりそうなものを、、、ということで、急遽、すき焼きを作ることにしました!
まず、お肉の調達。
すき焼きというと、日本では、薄切りの牛肉が主流ですね。 スーパーに行けばパックでいくらでも売っています。
ところが、イタリアでは薄切りのお肉というものはありません。
あってもせいぜいトンカツにできるくらいの厚さですね。。
なので、ここは、お肉屋さんのお兄ちゃんに頼んで、プロシュート(薄切りの干し豚肉)をスライスする機会で、極限まで薄く切ってもらいました。
醤油、みりん、それから豆腐に玉ねぎ、にんじん。
ネギはないです。。
食べさせてみたところ
「おおー!これ美味しいね!」
の反応!
嬉しいものです。
そのうち一人は「ちょっと甘すぎるかもな」とのこと。
イタリア人の味覚からすれば、甘い味付けの料理というのは未知の感覚のはず。
日本人でも、酢豚にパイナップルが入ってると、なんだか変な感じがすることがあるのと同じでしょうね。
✅結局、お口直しに海鮮スパゲティを注文
ここだけリアルの写真があります。
それは、料理から解放されたからですね💦
寿司とすき焼きで、僕自身は結構お腹いっぱいになったのですが・・・
「お腹いっぱいにはならなかったな。まだ半分は胃が空いてるよ」
とのコメント。
ということで、近所のレストランに電話して、
リングイネ マリナーラ
(海鮮パスタ)
と
フリットミスタ
(イカとエビの揚げ物盛り合わせ)
を急遽注文しました。
正直、それだけでも十分、ランチタイムが成り立つ気がするな・・・と感じつつも、美味しい寿司パーティは終わり、ここからは飲めやうたえや踊れやのいつものパーティが始まったのでした。
反省点としては、
・お米を7合炊けばよかった
・寿司ネタを事前に切り揃えておくべきだった
・巻きものも事前に巻いておくべきだった
というところでしたね^^;
本物を追求するには時間と用意が全く足りませんでした。。
さて、いかがでしたでしょうか。
イタリア人に寿司を食べさせた反応でした。
もしみなさんもこんな珍しい事態が起こったら、ぜひ寿司を握って振る舞ってみてくださいね!!
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