さあて一つやりますか!!
 
ワークショップ!!
 
ということで、トスカーナの街アレッツォで、カラテ道場の生徒さんたちに剣道をお伝えした。
 
こちらは子供たち。
 
シモネッタ教授が丁寧に型を教えていらした。
さすがにこの和服姿で現れたら、子供たちが一斉に引いていた。。。
 
え!?
 
サムライ?!
 
サムライきた?!
 
ざわざわ
 
 
シモネッタ先生
「はーーーいみんな!!日本から本物のサムライがきましたよ!!」
 
 
ギャァーーーーー!!!
 
子供たち大はしゃぎ。
 
うーむもう武士はいないんだけど本当は。。まあいいか。
 
子供たちには論理的な説明よりインパクト!!
 
剣道や日本文化に興味を持つきっかけになれればそれでいい。
 
 
シモネッタ女史
「ハーーいみんな、サムライになんか質問ありますか??」
 
 
あるベビ
「はい!サムライは中国人ですか?」
 
 
シモネッタ女史
「ノー。ニッポンジンですよ」
 
 
あるベビ
「はい!!サムライは犬を食べるんですか?」
 
 
シモネッタ女史
「ノー。(苦笑い)・・・はい質問終わり。みんな型をやりますよ。サムライに普段の練習の成果を見てもらいましょうね!」
 
 
このやりとりを見ていると、ホント・・・・
 
イタリア人たちは素直な人が多い。
 
子供も大人もそうだ。
 
感じたことがすぐ言葉に出ちゃうのだ。
 
とても人間らしい。
 
 
どうもイタリア人の印象として、
 
①アジア人=中国人
②中国人=犬を食べる。信じられない。野蛮人
 
が根強く残っているらしい。
 
ミラノやフィレンツェ、ローマやボローニャなど都会で、学校の同級生にアジア人がいる可能性が高い子供たちは、きっと実際に触れ合ってその辺知っているだろうからそんなバカバカしい質問はしないだろう。
 
 
本当にしょっちゅう聞かれる。
 
この二つの質問を。
 
イタリアに関わって十年たつが、最も多い質問である。
 
知らない人にあったときに最初に聞かれる質問の90パーセントは①である。
 
 
①あなたは中国人ですか?
 
②中国人は犬を食べるんですよね?気持ち悪い野蛮
 
 
イタリア人も大人になってくるとこの二つの質問に、さらに三つの質問とコメントが加わってくる。
 
 
③日本人は好きだ。礼儀正しく誇り高い皇帝崇拝の民族だから
 
④カーマスートラってあるんだよね?セックスのすごい技法なんでしょ?
 
⑤神戸牛ってものすごく高いんでしょ? 牛をマッサージしてビール飲ませて育てるって聞いたよ。信じられないね!
 
 
こういう話をするとある反論が返ってくることがある。
 
『そんな失礼なこと聞く人なんていません!それはあなたの誤解です!イタリア人はよく教育されているので、そんな質問をする人は薬物アルコール中毒者だけです!』
 
うーーん。じゃあ私がこの10年で聞かれた質問は、全部私の空耳だったのかしらねぇ??😅
 
だいたい犬食文化が野蛮なはずがないし、食べたいものを食べたらいい。
 
いるかもまたしかり。
 
西洋式の価値観で他国の文化を断罪することでいったい誰が幸せになるというのだろう。
 
実際、いるか漁も、中国・朝鮮の犬市場レストランは、西洋人観光客から嫌がらせをたびたび受けているそう。
 
ヤダヤダ。
 
そしてカーマスートラは古代インドの書籍のこと。 日本じゃない。
 
神戸牛はイタリアでも非常に有名なのだが、神戸肉流通推進協議会HPによると
 
「それに近いことを実行されている方もおられるかもしれませんが、このような特殊な育て方が、すべての神戸ビーフのスタンダードというわけではありません。ビールは牛の食欲増進に役立つという説もありますが、ビールを飲ませて育てるケースはほとんどないといえるでしょう。マッサージについては、スキンシップによって牛のストレス軽減に役立ち、間接的に肉質向上につながると考えられますが、マッサージそのものが肉質を柔らかくしたり、サシを増やしたりするわけではありません」
 
とのこと。
 
全く人は印象の奴隷である・・・
 
 

さて遊ぼう!!

 

 

 

 

 
これは何をしているのかというと、道場主アントニオさんが用意した競技場を見学している。
 
イタリアでお付き合いのある何人かの道場主さんたちは共通して、こういう野外でのトレーニングを生徒にさせる。
 
馬に乗せたり、サッカーで遊ばせたり。
 
川や海に連れていきそこで稽古させたり。
 
 

 

 

 
水を入れた瓶の淵を歩かせたり・・・
 
なんとも、現代日本人からみれば忍者ハットリくんやNARUTO、それに鬼滅の刃でやっているようなトレーニングである。
 
が、それはものすごく効果的だと思う。
 
現代武道はルールが制定されスポーツになっているのが実態だ。
 
私がお世話になった高校の剣道部では、とても合理的で科学的なトレーニング方法を教えてくださっていた。
 
運動生理学に基づいた効果的で無理のない筋トレ。
 
ストレッチング。
 
鍛える部位を明確にしてのランニング。
 
稽古ごとにフルアウトさせ、疲労を蓄積させないよう休養にも気を配る。
 
 
一方、武道の源流になった古武術はルールレスなのが前提。
 
だから目隠しで闘うとか、一体多数でのシチュエーションが設定されていたり、身近にあるものをなんでも活用して身を守ること出会ったり、投げる極めると言った総合格闘技的なものなのだろう。
 
山に籠ったり、完封吹き荒ぶ荒波にもまれて寒中水泳など。精神力を鍛えてくれそうだ。
 
体幹トレーニングや、動物的カンを研ぎ澄ませるのにすごく効果がありそうな野外練習。
 
怪我しそう😅 
 
おそらくそれが現代の日本の武道指導者がこういうトレーニングをさせない理由ではないだろうか??
 
 
 
 

 

さて、ワークショップ!

 

終了後に、アントニオ先生が、彼が主宰する国際武道連盟の名誉師範号をお贈りくださった。

 

感謝。

 

 

 

大人のカラテ家のみなさんと剣道型を3本目まで一緒に稽古。

 

その後アントニオ先生が「実際の剣道の試合を体験してみたい」とおっしゃるので、本当は危なくてやってはいけないのだけれど、防具なしの寸止めで立ち会った。

 

 

 

 

 

 


余談ながら、アントニオ先生がお持ちの刀は現代刀で、バリバリの真剣だった。

が、なんと物打ちにサビが!?、

理由をおききしたら
「刀をもらった直後に竹を切ったんだ。その後そのままにしていたから錆びたのかも」


ひぃーー


可哀想すぎる刀だ💦

本来なら月に一度は油を拭いて手入れをせねばならない。

手入れまで含めて刀文化を伝えないとこうなる。。

さて、その翌日。

アントニオ先生のお知り合いが、トスカーナ郊外に古城をもっていらっしゃるとのことで見学に。


 







 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




このお城はカルチョーネ城といって、986年頃の建築だそう。


いまも領主一族の方々が維持管理されている。


なんと来年ここで剣舞のワークショップを開こうということに。


合宿形のものになりそうだ。


とても楽しみ!!


いい気分はこういうサプライズを引き寄せる、の実例です😍