「どういうものを意識して食べてらっしゃいますか?」
「ぬ」


「僕はいつも水を2リットルペットボトルで持ち運んで、なるべくお酒やコーヒーを飲まないようにしてます。それに濃縮還元のドリンクじゃなくて、ジュースを飲みたいと思っています。食べたものが自分の体になるわけですもんね」
「いいね」


「はい!普段は夢を叶えるための勉強や仕事で忙しいですけれど、なるべく野菜を食べるように気を付けてます。そこでお聞きしたいことがあるんです」
「うむ」


「肉はお食べになりますか?」
「うん。食べるけど」


「そうですか。というのは、仏教の教えでは殺生を禁じていますよね。肉と魚は食べないと。それにキリスト教やイスラムの教えでも、断食の習慣があるようです。それにニューエイジの考え方では、牛肉を食べることがCO2増加に繋がり、生態系の破壊に繋がるから牛肉を食べるべきでないと教えています」
「らしいね」


「相川さんが悟りを拓かれた時に、食生活はお変わりにならなかったんですか?例えばお酒を飲まなくなったとか」
「いや、ガンガン飲む。というか、食に関してはもともと悟りレベルだったから」


「ええとそれはどういう意味でしょうか?」
「確かに君がいうように、食事は大切だ。一口一口、美味しくありがたく頂戴するものだと思うよ。だけれどね、過度な節制は不自然な緊張を生む。それは、世界各地でベジタリアンの人々を観察していてそう思うのだよ」

「ベジタリアンですか。ビーガンの方とか?」
「そう。私自身も1週間、主食キャベツという食生活を試したことがあるけど、あんまり意味なかったな」


「キャベツ!」
「そう、キャベツ。ベジタリアンだろうとビーガンだろうと、肉ばっかり食べる食生活でも、自分が食べたいものを食べたいように食べるっていうのが良いと思うよ。それは同様に石油や天然ガスなどの地球に埋蔵された資源を消費することについても同様だと思う」


「それは、省エネばかりを気にすることはないということですか?」
「そう。確かに、600年後の宇宙人たちの視点から言っても地球環境は悪化している。しかしそれはCO2を減らしたから解決というものではなく、自分さえよければいいという身勝手な思い込みが引き起こしているわけだからね」


「はい、おっしゃる通りだと思います。国連が提唱するSDGSにしても、持続可能な社会に転換することが急務ですし、サステイナビリティなきビジネスはもはや成り立たない時代になっているのだと思います」
「うむ。しかしね、大切なことを忘れてはいけないよ。それは、君がどうしたいかである」


「・・・ええと、それは何についてでしょうか?」
「真夏、ものすごく暑い時、エアコンつけるかね?」


「ええ、それは付けます。暑いし。でも健康と地球環境のことを考えたら、扇風機や、窓の外にグリーンカーテンを仕込むとか遮光カーテンを用意するとかした方がいいのかなとは考えますね」
「真面目だね」


「ところで、先ほどおっしゃった『600年後の宇宙人の視点』というのは一体なんのことでしょうか?」
「いずれ解説する。でね、過度な節制は思わぬ結果につながるということをもう少し話しておきたいのだ。 君はすごく真面目で自分の意思で行動をある程度コントロールできる。そうだね?」


「ええ、そのように心がけてます。将来叶えたい夢がありますので」
「だからこそ、自分を大切にすること。自分の感性や、体の声、魂の声にじっくり耳を傾けることだ」


「はい」
「水2リットル、重たくないかね?」


「ええ、重たいです」
「ない方が楽じゃない?」


「はい楽です。でも、いちいちコンビニで買うのはお金の無駄遣いかなって。ウチの浄水器でペットボトルにリフィルした方が経済的かなと思っちゃうんです」
「それは『思っちゃう』じゃなくて『考えちゃう』の間違いだよ。細かいけれど、こういうところを大切にすることだ。『思う』と『考える』を厳密に使い分けてご覧。これが今日一番大切なアドバイスだよ」


「思う、と考える・・・・それは英語でいうthinkとfeelの違いということでしょうか?」
「そう。世界の高学歴な人々がよくする過ちは、気持ちよりロジックを優先してしまうことだ。ポピュリズムの台頭を見てご覧。ヒラリーさんの選挙演説を分析したのだけれど、まぁ論理的かつ具体的で、アメリカらしい知性そのものだったのに、ストレートな物言いをするトランプさんに敗れ去ったね」


「そうですね、そういうこともありました。エルサレム首都移転承認であるとか、トランプさんの感情的なものいいにはなんだか怖い気がするけれど、スカッとする側面もあるなと感じます」
「そうそう。それは『感じる』だね!考える、じゃない。そういうこと。世界というのは、自分が世界だと思うものが世界なのだよ。空即色、色即是空はそういう意味が込められているのだからね」


「般若心経ですね!まさか食についての質問から、これだけの話に発展するとは思ってもみませんでした!」
「そうそう、それは思う、ってことでいいだろうね。で、くだんの無理してるベジタリアンさんたちのことだがね、体は肉食べたいと声を上げているのに、思考でそれを封じようとしているわけだ。その積み重ねがストレスの蓄積につながり、とてもキレやすい体質になっているようだ」


「そうですか!僕の周りにベジタリアンはいないし、残念ながらフツウのファーストフードの人たちがほとんどです。本当はもっとオーセンティックな日本食やフレンチを食べてみたいんですけれど、予算がなくて」
「うむ。無理せず、自分が安心して出せる予算の中で、体が欲するものを選ぶことだ」


「でも、相川さん、体が欲するものばかり食べてたらデブになりませんか?いや、肥満体型になる可能性が高まってしまうのではありませんか?」
「言い直したね。そこはデブでええやん」

「いやいや、自己管理ができなくてデブになってる方もいるでしょうけど、遺伝的体質によって止むを得ず太ってる方もいるでしょうから、人を傷つける恐れがある言葉は慎重に使った方がよいのではありませんか?」
「それについては『シビリティ』の嘘である。解説した動画があるから参照してほしい。結論から言えば、その言葉を想った瞬間に、その言葉を発することが最良である」


「そうですか、、、話が戻りますけれど、世の中の多くの人がストレスによる過食で太っているのではないかと考えます。脂っこいものばかり食べたり、コメを食べすぎたり、スナック菓子に炭酸飲料を食べるあまりに太る。 一方、高所得世帯では有機無農薬野菜や品質管理が徹底された高級食材を口にし、トレーニングジム通いなど健康についてのコンシャスが高いため、健康的な体の人が多いという統計結果が出ています。 収入水準の違いが、食に現れ健康に現れているということです。それでも相川さんは、皆好きなものを好きな時に食べればよいとおっしゃるのでしょうか?」
「そう」


「なぜでしょうか?」
「二点留意することだ。近代栄養学と、人間本来の感覚。この二つ。まずいうと、近代的な栄養素であったりカロリー計算というのは合理的に見えて、かなり無理があるものだということ」


「そうなんですか。足りないビタミンはサプリメントで補ったり、あるいは酵素ドリンクなんて消化吸収を助けるものもありますが、おかしいですか?」
「医学的に見てもプラセボ効果というものの存在は認められているでしょう?そういうことである」


「つまり、参考にすることはできても絶対ではない。最終的には自分の感覚で選択しなさい、ということですか」
「そう」


「ふむ・・・」
「君がいうように、東京の安い居酒屋を見ていると感じるのだけれども、お客さんたちはストレス発散で飲んで騒いでいるようだ。私はそういううるさくて汚い場所は苦手なのだけれども。そもそも、人がストレスを感じる要因というのは、嫌なことをやっているってことだね。好きなことやりたいことををやってストレスはかからないでしょう?」


「そうでしょうね。僕も好きな本を読んでいると楽しですけど、やりたくない事務作業なんかやってる時はため息が出ちゃうことがあります」
「うむ。だから、納豆ばっかり食べるとか、ゴーヤばっかり食べるとか、全ての栄養素をバランスよく摂取しようと考えすぎてストレスかけるなんて本末転倒なわけだよ。本来あった栄養で補充されるはずだったエネルギーよりも、その行為に浪費したエネルギー分がマイナスになるのだから。すべてをこのようにエネルギーで捉えると、物事の本質が見えてくるよ」



「はぁー!エネルギーですか・・・・なんだか不思議な話ですね」
「バリバリの合理だよ。昔あった映画『スーパーサイズミー』のことを知ってるかね」


「はい、聞いたことはあります。マクドナルドのハンバーガーだけを食べ続ける実験をドキュメンタリーにしたものですよね。確か死にかけたっていう」
「あれのアンチテーゼで、一ヶ月ハンバーガー食べ続けたけど元気ですっていう話が多数出ているよ。このように、結局本人がどういう気持ちで食べているかが結果に作用しているということだね」


「じゃあ我慢して野菜ばっかり食べたり、水ばっかり飲んだりしなくてよいということですね」
「そう。自分にラクをさせてあげたまえ。重たい荷物もつストレスにエネルギーを浪費する分と、水飲むことによって得られるエネルギーのバランスだね」




物事の本質はエネルギー。

高いものを食べたら健康になれる?

そんなはずは全くない。

例えばお母さんが作ってくれたコロッケやハンバーグは、多くの人がおふくろの味として癒しを感じることだろうし。

人もそう。

お金を持っていたら偉い人なのではない。

優しい人、思いやりのある人、素朴な人、、、

その人が発しているエネルギーにフォーカスすることだ。

そうすればその人の本質が見えてくる。


よく思われたいという動機で行動している人。

頭がいい人と思われたいという動機で行動している人。

褒められたいという動機に行動している人。

モテたいという動機で行動している人。

会社のためと口では言いながら、本当は自分のことを守っているだけの人。

自分を偽っている人。


他人は反面教師。

自分が発するエネルギーはどうだろうか?

それしかない。


本当にやりたいことを夢中でやっている人。

純粋に好きなことを追求している人。

家族への愛で行動している人。

本当に会社のためを思って仕事している人。

そういう人は輝いている。


本来の自分を生きているか?

やりたいことをやっているか?

自分らし人生を歩んでいるか?


それは今日1日の振り返りでわかるのではない。

今この瞬間に、あなたが本来の自分として何を選んでいるかということ。

過去は関係ない、今この瞬間の言葉、行動が問われている。

そうやって自分に問い続けて、毎瞬毎瞬に答えを出し続けることしかないのだ。

それが私の言っている『悟り』なのです。

そうやって本来の自分を生きていきたいという人を応援する場所。


気楽に参加してみていただきたい!