先日、ある方からのご紹介で、某企業の創業社長さんのレッスンをさせていただく機会がありました。
ボイトレによって声から人生が変わるというコンセプトに興味を持っていただいたようでした。
個人レッスンの時間は11時から17時という長めの時間ですから、間で休憩を挟みながらリラックスしながら進めていきます。
その社長さんのお話を聞いていると、どうもここ数ヶ月でひどい事件があったのだそうで、弁護士を立てて争っているそうです。
それでとてもお疲れだとか。
その社長さんが開拓してきた分野は、それまで全くなかった新しいもの。
ゼロからアイディアを出して、少しずつ試行錯誤を繰り返して、その分野のパイオニアとしてのポジションを確立されたとか。
社員も数百名いて、その彼らの家族の生活もある。
ところがある日、出社したら机に辞表の束が置いてあったとか。
見ると、創業から一緒にやってきた仲間が数名、そしてその仲間のチームメンバーの名前があったそうです。
おかしいと思って、そのうちの何人かに電話をしたら、起業する、とか、転職するとか、煮え切らない返事。
しばらくして、事実が発覚。
日本の大手企業が連合し資本を出し合って、自分が開拓してきた分野に参入するため。
それで業界に詳しい仲間たちが引き抜かれたということだったのです。
全く同じビジネスモデルで。
その社長さんは、仲間に裏切られて傷ついて彼らの良心を疑い、疲弊してしまったとのこと。
その参入のせいで、顧客が大量に新会社に流れて、もう倒産してしまいそうだから、必死で駆け回って仕事しているんだそうです。
築いてきたものを守るため、残ってくれた社員とその家族の生活を守るため。
それをお話しされている声は、随分と声帯が縮み、かすれてしまっていました。
腰や背中に痛みを感じるともおっしゃっていました。
どう感じられるでしょうか。
「かわいそう!その新規参入の会社ひどい!社長さんは責任感があって素晴らしい!頑張って欲しい!体をいたわってもらいたい!」
でしょうか。
確かに、真面目でモラルが高くて人格者でいらっしゃるので、お身体を大事にされて欲しいと思います。
ご自身が努力して築かれたものが、誰かに取られるような気がしてしまって、さぞ心がお疲れなのだろうと思います。
自分よりも社員やそのご家族を想われるのも、高徳な考え方なのかと思います。
ボイトレのメニューは、リラックスが大前提。
なので楽しみながら体を緩めながら、声帯が一番ラクに響くような状態に整えていきます。
するとなんの努力もなしに自然とその人本来の声が生まれてくるのです。
この方の場合も全く同じ。
後半からのびのびと艶のある明るい声が出てきました。
頭が真っ白になって静かで、とても爽やかな気分だとおっしゃっていました。
体重が減った気がするとか。 気分でしょうけど笑
本来がとてもポジティブでワクワク仕事をされる方で、そのフツウの姿に戻っただけ。
「全くのゼロから始められるとして、お金の制限がなかったとしたら、何をやりたいですか」
また世界中旅して回りたい!
リゾートに一ヶ月くらいゆっくり滞在したい!
乗馬を始めてみたい!
子供とゆっくり遊びたい!
次から次へと飛び出してくる言葉にびっくりしました。
午前中にお会いした時には暗い顔をして重い言葉を吐かれていたのにこの変わりよう!
さすが生粋の起業家は切り替えが速いなと思いました。
問題は問題と捉えるから現実化するだけ。
暗い重い気持ちでいるだけで、ヒドイ恐ろしい結果を現実化させる。
軽やかで前向きで明るい気持ちでいるだけで、想像もしなかったようなワクワクすることが現実化されます。
さらに楽しくラクに自由になるキッカケだと気づくことができれば、あっという間に世界は輝き始めます。
社員とその家族を守ることがいいこと?
これは前提として、社員と家族は守らないとヒドイまずいことになるという認識があります。
だから、それが現実化してしまうでしょう。
自分を犠牲にして仕事することは素晴らしいこと?
と、信じている限り、社員も自分を犠牲に無理して努めることを強いるわけです。
その家族にも、自分の健康や幸せを犠牲に後回しにして生きるように強いるわけです。
誰も幸せになれない気がするのですが。。
会社の経営を投げ出して、一人バカンスに出かけるのは無責任でとんでもないこと?
という考え方が、日本に過労死と大量の自殺者をレギュラーに生み出しているのは確実です。。
定時になる前に帰っちゃういい加減なイタリア人たちの方がよっぽど人間らしいように見えることに、誰もが気づいています。
一旦始めたことは最後までやり遂げなければならない?永続させることが良いことで、辞めること悪?
これは完全な誤解。
近代日本史の例を取っても、例えば明治維新の原動力になった吉田松陰さんの松下村塾。
わずか2年に満たない期間で、パワフルな人財をたくさん生み出しています。
伊勢神宮の例を取っても、建築技法を継承してはいるもの、式年遷宮によって常にフレッシュな存在であるわけです。
社員が金につられて引き抜かれ裏切られたのは悪いこと?
むしろやる気とビジョンある人財が登用される登場するキッカケになるので、コストカットできてラッキーなわけです。
弁護士立てて争うことにワクワクして心地よく気分よくいられるのならば、大いに法廷闘争を繰り広げればいいと思うのですが。。
そんなことで悪い気分でいる方が、その嫌な気持ちが増加して、結果的にひどい状態を現実化するだけ。
にっこりほっとけばいいだけなのです。
世間一般で常識だと言われていることは、全てウソ。
真逆が真実なので、もはや考える必要すらありませんでした。
会社経営ですら、原則はたったの一つだけでうまことがわかりました。
「一瞬一瞬を気分よく、心地よく、快適に過ごすこと」
上記した事例は、全てこの前提から自然と発想されることです。
やりたくないことはやめる。
恐れや不安から身を守るための発想は手放す。
自分が気分よくいることに、全ての資源を集中することです。
お金、時間、人財、情報。
それだけで、社員さんたちの生産性がうなぎのぼり。
「ああ、社長がご機嫌だ。なら私たちもそうしていいってこと?嬉しいなー!」
その様子が商品サービスに投影され、自然と顧客に伝わります。
自分、家族、会社、町、都市、国、地域。
いかなる規模の話においても、全く変わりなく作用しているのが創造の秘密です。
想ったことが現実化するだけ。
だから、そういった会社経営者や国家指導者においても完璧に対応できるのです。
これ以上はないくらいにシンプル。
そしてパワフル。
成果は一瞬で出ます。
もともとリーダーになるような人は、強烈に自己愛が高い人が多いので、一般の方に比べても格段に現実化スピードが速いです。
固定概念を、ぽろっと手放すだけです。
既成概念を崩して新しい分野を生み出したような方でも、そんなふうに日本の常識にとらわれて発想してしまうわけです。
世界中でビジネスをされてきた方にもかかわらず!
創造の秘密を知ってさえいれば、そんな結果のわかってる行為をする必要はなかったのに!
ただシンプルに、本人が気分良く、心地よく、ご機嫌でいるだけで全てがうまくいく話だったのです。
自分という存在は、鏡として存在してくれる他者がいないことには自覚することすら叶わない。
剣道やテニスといったスポーツで、相手がいないと練習できないものと同じです。
困難に直面した時は、何もしないこと。
今すぐに何かをしなくては取り返しのつかないことになる!!
そう恐れるのは当然ですが。
なぜだかは、この記事を読まれてる方なら察しがつくことと思います。
何もしないことです。
じっくり深呼吸を一ヶ月繰り返すくらいの気持ちが重要です。
そして、その事象とは全く関係ことをやりましょう。
絵画を描く。歌を歌う。パラグライダーで遊ぶ。海外旅行をする。楽器の演奏を習う。
いい気分。
いい気分。
幸せ。
そこで行動を起こしましょう。
私は幸せで豊かだ。ふと思いついたんだけども、○○したい。
完璧です。
これまで講演や本で発言したことと違ってもいいんです。
社員に話した内容と違ってもいいんです。
ベッドルームや社長室に書いた標語と違ってもいいんです。
今が過去の延長線上にある必要などないのです。
それが確信なのです。
フランスの哲学者パスカルが言いました。
哲学を嘲笑するものこそ、真に哲学者である。
既存のモラルを笑い者にする人こそがモラリストなのです。
自分がリーダーなのは火を見るより明らか。
だからこそ、心の声に従いましょう。
それはとてもカンタンなことです。
故スティーブ・ジョブスが1985年にスカリーから裏切られた時、本人はとてもショックだっただろうと思います。
あっさりスッキリ自分の好きなことに頭を切り替えたジョブス氏は、前からやりたかったアニメ製作会社など設立。
11年後にはアップル社がジョブス復帰を願うくらいの企業に成長していたのでした。
全ての事象は自分の心が引き起こしているのです。
だから、どのような気分でいるか、それだけなのです。
カンタン。
とても信じられない受け入れがたい事実ですが、これは事実なのです。
自分自身で実験を繰り返し、それがわかりました。
一瞬一瞬を気分良く、心地よく、快適に過ごすこと。
たったのそれだけで、全ての問題は解決してしまいました。
それどころか、想像していた120パーセントのことが現実化されていました。
他の誰でもない、自分を最優先にした時。
全てが完璧な円を描き始めるのです。
※この記事をその方に捧げます。
by相川陽介