【会話形式コラム100 まだまだぐるぐる】

「活動をどうやって続けていけばいいか悩んでるんです」
「ふむ」

「なかなかお金にならなくて。表現活動で生計を立てていないと、プロとは言えないですもんね」
「はぁ」

「相談したいのは、どんな風にすればもっとお金になるかということなんです。」
「へぇ」

「周りの仲間もずっと活動を続けているんですが、会社員しながらとか、アルバイトとかしながらカツカツな人が多いんです」
「だろうね」

「でも、相川さんはなんか違いますよね。イタリアで表現活動されて、あれだけたくさん大きなステージで歌ってらっしゃるのに、なんかビジネスというか、ブランド作りみたいなのが上手そう」
「ふむ」

「どうやって営業してらっしゃるんですかね?仕組みとか、そういうの必要なんでしょうか?」
「さぁ」

「正直、私まだまだなんで、もっと色々勉強しないといけないんです。それにはレッスン受けたり本を読んだりしなきゃいけないので、お金がかかって、なかなか自由にならないんです」
「変なの」

「え?変ですか?」
「自分というものの価値を客観的に捉えることだよ、まずは」

「というと、どういうことですかね?」
「無価値なら売れない。あなたの表現は無価値なの?」

「いや、えっと、無価値ってことはないと思いますけど、活躍してらっしゃる方々に比べるとまだまだ全然価値低いと思うんですよね。もっと実績とか結果出さなきゃ売れないですよね。。でも営業とか苦手なんですよね。。今はお金もらってもすごく少ないので、それだけだと全然生活できないんです」
「関係ないよ。どうしたいか次第だ」

「そうなんですか??でも」
「どうしたいんだね」

「そうですね・・・この表現活動でもっとお金をもらえるようになりたいです。相川さんみたいに海外でもどんどん活動したいですし、金銭的に安定して安心したいです」
「ならそうすればいいじゃないの」

「え、いやいやいや、だってまだテレビとか出てないですし、表現活動で自活できてるわけじゃないですし・・・」
「関係ないよ。したいと思ってることをすぐやるのがコツだ」

「そうなんですか??」
「うん」

「じゃあ、私もすぐに海外で活躍しちゃっていいんでしょうか?」
「カンタンだよ」

「いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいや・・・」
「どうしたいんだ」

「でも、安定収入があるわけじゃありませんし、そんなに貯金があるわけじゃないですし、また親に迷惑かけちゃうんですよ」
「知らん」

「え、でも」
「今という時がいつまでも続くと思ってるのは傲慢さ。『こうしたい』という想いに応えるのだ」

「・・・なんかつまらないことを質問したような気がしてきました」
「ピンポーン。ギュもん」

「ギュもん?ああ、愚問って意味ですか。わかりました・・・じゃあ早速海外の情報調べてみます!」
「うむ。はよいけ」


表現活動をしている人は、ほぼ必ず直面する問題がこれ。
お金にならない・・・という悩み。
イタリアでもフランスでもイギリスでも、世界共通。

歌、音楽、役者、司会者、ナレーター、声優、アーティスト、画家。
いろんな表現活動があるわけですが。

いつも思うんですが、商売は商売。アートはアート。
お金になるわーー。

表現活動している人は一般的に誤解しがち。

テレビに出ればうまくいく・・・マネージャーに見出されればうまくいく・・・ヨーロッパに行けばうまくいく・・・有名事務所に所属できれば・・・オーディションに受かれば・・・パトロンがつけば・・・コンクールで優勝すればetc

ないない笑

自分でやるしかないって。。

表現活動でお金もらうとうれしいよなぁ。
なんか価値が循環したって気になる。ぐるぐる。
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お金以上のものを毎回受け取れるから。

表現活動でお金を稼ぐには、やっぱり自分の価値を客観的に表現しないとなぁ。
まだまだですって、じゃいつになったら充分なんだ??

その永遠にこない『まだまだ』をやめれば儲かるのになー。

っていうと、仕事一本いくらいくらだから、単価あげなきゃいけませんか?っていう思考になるけど、それだけじゃダメだよなぁー。
そもそもビジネスって、自分がいなくてもお金が入ってる仕組みを作るものだから。
目先の利益も大事だけど、長期的なビジョンも大事ね。

こんな表現をしたい!こんな生活をしたい!
そういうイメージを、毎日周りに発信してれば、自然と伝わっていくものです。
先日、アムステルダムのゴッホ美術館と、フィレンツェのウフィッツィ美術館にいった時ものすごく幸せを感じました。

キャンパスから伝わってくるスゴさ。
ため息と驚きの連続。
アートすごい。

ボイトレの先生やってて純粋に願っているのは、素晴らしい声との出会いです。
表現力、声の美しさ、魅力的な動き、そういう才能。
大抵、本人がそれに気づいていないので、むしろそれにびっくりします。

声もお仕事も、客観的にとらえるのがうまくいくコツ。

レッスンやワークショップの度にその人の才能を発見して伝えられる仕事をさせてもらって、とっても光栄です!

by相川陽介

12月の相川陽介レッスン12/18シンガポール、21広島、23東京、27大阪、28名古屋、29福岡