※こちらの記事は、以前、相川のメールマガジン(【無料】すぐできる!7日間のメール授業)でご紹介した内容です※
★鳩山さんの演説に学ぶ
こんにちは!
声の芸術家です。
今回は、
「鳩山首相の所信表明演説に学ぶ、声の出し方」
というテーマで書いてみたいと思います。
これは、一対100名以上とか、かなり大人数に対してスピーチをしたりプレゼンテーションをしたりする人向けですね。
ポイントは3つです!
「これがよかった!」というのが二点。
「これが、こうなればもっといいのに!」という点が二点。
まずは、これがよかったという点。
1、原稿の書き方
2、マイクの使い方、距離
まず、1の原稿について。
これは、今までの、ただ書かれている文章を読むだけというスタンスの演説から、かなりわかりやすいものになったのではないかと思います。
「タクシーのラジオで聞いても首相が何を感じているか分かるように」
ということテーマに、松井孝治官房副長官がライティングされたとのこと。
原稿を読むとわかりますが、NLP(神経言語プログラミング)と呼ばれるコミュニケーション心理学のメソッドが多様されています。
NLPとは、と言っても、自分はその道の専門家でないんですが、ちょっとかじった知識にて。。
専門家の方も、このブログを読んでくださっていると思うんで、恐縮ですが。
すごく、奥が深い学問領域です。
要は、主要な情報アクセスモードを駆使することによって、聞き手との信頼関係(ラポール)を構築していく、ということです。
情報アクセスモードとは、自分の脳から情報を引っ張り出してくるときに使う手法のことです。
目で見る、視覚情報。→V
耳で聞く、聴覚情報。→A
肌で感じるもしくは心で感じる、体感覚情報。→K
この3つのアクセスモードが主要です。
人間は、この3つの情報アクセスモードのうち、どれかが強かったり弱かったりします。
ちなみに、声の芸術家として活動する前の僕は、Kが圧倒的に強かったです。
声の芸術家になってからは、圧倒的にAが強くなりました。
音に敏感でなければできない仕事だからです。
理論的な説明をするヴォイストレーナーモードのときは、V情報を多様しています。
コミュニケーション上手の方は、自然と、このV・A・Kを、バランスよく配合してしゃべっています。
なぜなら、そうすると、どのタイプの人にも、信頼関係を構築しやすいからです。
もちろん、例外はあるでしょうし、一概にタイプの分類ができるものではないでしょうが、概論として。
さて、NLPの話を、鳩山首相の演説に適用していきましょう。
「私たちが全力を振り絞ってお互いに闘ったあの暑い夏の日々を思い出してください。皆さんが、全国の町や村、街頭や路地裏、山や海、学校や病院で、国民の皆さまから直接聞いた声を思い出してください。」
暑い夏の日々・・・と言われると、Vタイプの人は、選挙カーの映像が浮かぶかもしれません。Aタイプの人は、有権者の実際の声、声援が聞こえるかもしれません。Kタイプの人は、夏の暑さや、熱狂の中の興奮したという感覚が思い出されるかもしれません。
このように、どのタイプにも信頼関係を構築し共感しやすい言葉を選んでライティングされたスピーチなのです。
以下の文章も、共感しやすい部分の典型ですね。
「青森県に遊説に参った際、大勢の方々と握手させていただいた中で、私の手を離そうとしない、一人のおばあさんがいらっしゃいました。息子さんが職に就けず、自らのいのちを断つしか途がなかった、その哀しみを、そのおばあさんは私に対して切々と訴えられたのです。毎年3万人以上の方々のいのちが、絶望の中で断たれているのに、私も含め、政治にはその実感が乏しかったのではないか。おばあさんのその手の感触。その眼の中の悲しみ。私には忘れることができませんし、断じて忘れてはならない。社会の中に自らのささやかな『居場所』すら見つけることができず、いのちを断つ人が後を絶たない、しかも政治も行政もそのことに全く鈍感になっている、そのことの異常を正し、支え合いという日本の伝統を現代にふさわしいかたちで立て直すことが、私の第一の任務です。」
感情を示す言葉、音を示す言葉、視覚を示す言葉がちりばめられていることがおわかりいただけると思います。
これをライティングした、松井官房副長官が、NLPのメソッドを多様していらっしゃるであろうことが推察されますね。
また、オバマ大統領を意識した、「変革」という言葉を、50分の演説の中で9回も使っています。
短い言葉の反復は、強烈な印象を与えます。
選挙戦の後半になると、立候補者が、
「自民党、自民党、自民党、自民党・・・」
「民主党、民主党、民主党、民主党・・・」
と繰り返す風景を見ることができますが、これは、我々の無意識かに働きかける一種の催眠効果があります。
変革、を強調して、政治改革を推進するための布石ですね。
さて、二つ目のポイント。
マイクとの距離です。
写真を見ていただくとわかりますが、鳩山首相とマイクの束との距離に注目してください。
あれは、こぶしが3つ以上入る距離ですね。
スピーチを聞いていただく人数によって、マイクの距離を変えると効果的です。
何が、かというと、声の影響力が及ぶ範囲です。
単純に、マイク近づけすぎて通る声を出そうとすると、音が割れてノイズが目だって聞こえてしまいます。
10名くらいなら、こぶし一つ分くらいあけて。
20名くらいならば、こぶし二つ分。
50名くらいになってくると、こぶしは三つ分くらいあけて、通る発声をするとしっかりと声が伝わりますね。
鳩山首相は、マイク三つ分。
議場は数百人という規模ですから、意図を声にしっかり乗せるには、それくらいの距離が必要だったのでしょう。
続いて、「こうだったらもっといいのに!」というポイント2つ。
1、声のトーンがもうちょっと低めだとよかった
2、下半身がもうちょっとほぐれているとよかった。
声のトーンについて。
全体を通して、一定のトーンで演説していらっしゃいました。
一定のトーンで話すというのは、トップとしてはばっちりでした。
そのトーンは、中音域から高音域の間くらい、男性としてはやや高めのトーンでした。
議員をはじめ、その演説を聴く国民のトップのトップですから、安定感や信頼感が最も求められるのは間違いありません。
しかし、それを伝える声質は、やはり低音。
せめて、低音から中音で。
通常、声の高さと身長は比例するもので、きっと鳩山さんの身長・体格から言うと、もうちょっと低い方が楽なはずです。
演説のときの発声は、議場全体に伝わるようにという意識は道々していましたが、それが先立ちすぎて、ムリがでていました。
事実、約1時間の演説の中で、10回程度声が裏返ってしまっています。
これは、大きな声を出そう!と意識すると起こりやすい現象です。
2のポイントとも関連しますが、大きな声を出し続ける必要があるときは、下半身を充分にほぐすことが重要です。
声が裏返るのは、声帯の周りの筋肉に余計な力が入っているときにも起こります。
「大きい声を出さねば」
「高い声を出さねば」
と思うと、その筋肉に負担がかかりやすいです。
声帯の周りの筋肉に負担をかけずに発声できるといいのですが、そのためにはいろいろと方法があります。
その中でも、鳩山首相の場合は、下半身のリラックス、ほぐすことに答えがあるように見えます。
下半身のリラックスは、大きな声を長時間出すことに必要なことです。
また、安定感を演出するためには、長く安定した呼吸が必要なので、それをするためにも下半身のリラックス。
具体的にいうと、ストレッチがいいですね。
下半身のストレッチ法は、スポーツジムにいくと教えてもらえるような、基本的なもので充分です。
と、長くなりましたが、鳩山首相の演説に学ぶ、声の出し方でした♪
「実は、私も今度、大勢の前でスピーチをする機会がありまして・・・」
「大勢の前でしゃべる仕事をするのが夢なんですが、私の声って遠くまで通らないし、大声だそうと思うとすぐのどが疲れちゃうんです」
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シティリビング 『30歳からはじめるオンナ修行 もえLesson』の記事
http://www.citywave.com/lifestyle/moe/100818/
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★鳩山さんの演説に学ぶ
こんにちは!
声の芸術家です。
今回は、
「鳩山首相の所信表明演説に学ぶ、声の出し方」
というテーマで書いてみたいと思います。
これは、一対100名以上とか、かなり大人数に対してスピーチをしたりプレゼンテーションをしたりする人向けですね。
ポイントは3つです!
「これがよかった!」というのが二点。
「これが、こうなればもっといいのに!」という点が二点。
まずは、これがよかったという点。
1、原稿の書き方
2、マイクの使い方、距離
まず、1の原稿について。
これは、今までの、ただ書かれている文章を読むだけというスタンスの演説から、かなりわかりやすいものになったのではないかと思います。
「タクシーのラジオで聞いても首相が何を感じているか分かるように」
ということテーマに、松井孝治官房副長官がライティングされたとのこと。
原稿を読むとわかりますが、NLP(神経言語プログラミング)と呼ばれるコミュニケーション心理学のメソッドが多様されています。
NLPとは、と言っても、自分はその道の専門家でないんですが、ちょっとかじった知識にて。。
専門家の方も、このブログを読んでくださっていると思うんで、恐縮ですが。
すごく、奥が深い学問領域です。
要は、主要な情報アクセスモードを駆使することによって、聞き手との信頼関係(ラポール)を構築していく、ということです。
情報アクセスモードとは、自分の脳から情報を引っ張り出してくるときに使う手法のことです。
目で見る、視覚情報。→V
耳で聞く、聴覚情報。→A
肌で感じるもしくは心で感じる、体感覚情報。→K
この3つのアクセスモードが主要です。
人間は、この3つの情報アクセスモードのうち、どれかが強かったり弱かったりします。
ちなみに、声の芸術家として活動する前の僕は、Kが圧倒的に強かったです。
声の芸術家になってからは、圧倒的にAが強くなりました。
音に敏感でなければできない仕事だからです。
理論的な説明をするヴォイストレーナーモードのときは、V情報を多様しています。
コミュニケーション上手の方は、自然と、このV・A・Kを、バランスよく配合してしゃべっています。
なぜなら、そうすると、どのタイプの人にも、信頼関係を構築しやすいからです。
もちろん、例外はあるでしょうし、一概にタイプの分類ができるものではないでしょうが、概論として。
さて、NLPの話を、鳩山首相の演説に適用していきましょう。
「私たちが全力を振り絞ってお互いに闘ったあの暑い夏の日々を思い出してください。皆さんが、全国の町や村、街頭や路地裏、山や海、学校や病院で、国民の皆さまから直接聞いた声を思い出してください。」
暑い夏の日々・・・と言われると、Vタイプの人は、選挙カーの映像が浮かぶかもしれません。Aタイプの人は、有権者の実際の声、声援が聞こえるかもしれません。Kタイプの人は、夏の暑さや、熱狂の中の興奮したという感覚が思い出されるかもしれません。
このように、どのタイプにも信頼関係を構築し共感しやすい言葉を選んでライティングされたスピーチなのです。
以下の文章も、共感しやすい部分の典型ですね。
「青森県に遊説に参った際、大勢の方々と握手させていただいた中で、私の手を離そうとしない、一人のおばあさんがいらっしゃいました。息子さんが職に就けず、自らのいのちを断つしか途がなかった、その哀しみを、そのおばあさんは私に対して切々と訴えられたのです。毎年3万人以上の方々のいのちが、絶望の中で断たれているのに、私も含め、政治にはその実感が乏しかったのではないか。おばあさんのその手の感触。その眼の中の悲しみ。私には忘れることができませんし、断じて忘れてはならない。社会の中に自らのささやかな『居場所』すら見つけることができず、いのちを断つ人が後を絶たない、しかも政治も行政もそのことに全く鈍感になっている、そのことの異常を正し、支え合いという日本の伝統を現代にふさわしいかたちで立て直すことが、私の第一の任務です。」
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これをライティングした、松井官房副長官が、NLPのメソッドを多様していらっしゃるであろうことが推察されますね。
また、オバマ大統領を意識した、「変革」という言葉を、50分の演説の中で9回も使っています。
短い言葉の反復は、強烈な印象を与えます。
選挙戦の後半になると、立候補者が、
「自民党、自民党、自民党、自民党・・・」
「民主党、民主党、民主党、民主党・・・」
と繰り返す風景を見ることができますが、これは、我々の無意識かに働きかける一種の催眠効果があります。
変革、を強調して、政治改革を推進するための布石ですね。
さて、二つ目のポイント。
マイクとの距離です。
写真を見ていただくとわかりますが、鳩山首相とマイクの束との距離に注目してください。
あれは、こぶしが3つ以上入る距離ですね。
スピーチを聞いていただく人数によって、マイクの距離を変えると効果的です。
何が、かというと、声の影響力が及ぶ範囲です。
単純に、マイク近づけすぎて通る声を出そうとすると、音が割れてノイズが目だって聞こえてしまいます。
10名くらいなら、こぶし一つ分くらいあけて。
20名くらいならば、こぶし二つ分。
50名くらいになってくると、こぶしは三つ分くらいあけて、通る発声をするとしっかりと声が伝わりますね。
鳩山首相は、マイク三つ分。
議場は数百人という規模ですから、意図を声にしっかり乗せるには、それくらいの距離が必要だったのでしょう。
続いて、「こうだったらもっといいのに!」というポイント2つ。
1、声のトーンがもうちょっと低めだとよかった
2、下半身がもうちょっとほぐれているとよかった。
声のトーンについて。
全体を通して、一定のトーンで演説していらっしゃいました。
一定のトーンで話すというのは、トップとしてはばっちりでした。
そのトーンは、中音域から高音域の間くらい、男性としてはやや高めのトーンでした。
議員をはじめ、その演説を聴く国民のトップのトップですから、安定感や信頼感が最も求められるのは間違いありません。
しかし、それを伝える声質は、やはり低音。
せめて、低音から中音で。
通常、声の高さと身長は比例するもので、きっと鳩山さんの身長・体格から言うと、もうちょっと低い方が楽なはずです。
演説のときの発声は、議場全体に伝わるようにという意識は道々していましたが、それが先立ちすぎて、ムリがでていました。
事実、約1時間の演説の中で、10回程度声が裏返ってしまっています。
これは、大きな声を出そう!と意識すると起こりやすい現象です。
2のポイントとも関連しますが、大きな声を出し続ける必要があるときは、下半身を充分にほぐすことが重要です。
声が裏返るのは、声帯の周りの筋肉に余計な力が入っているときにも起こります。
「大きい声を出さねば」
「高い声を出さねば」
と思うと、その筋肉に負担がかかりやすいです。
声帯の周りの筋肉に負担をかけずに発声できるといいのですが、そのためにはいろいろと方法があります。
その中でも、鳩山首相の場合は、下半身のリラックス、ほぐすことに答えがあるように見えます。
下半身のリラックスは、大きな声を長時間出すことに必要なことです。
また、安定感を演出するためには、長く安定した呼吸が必要なので、それをするためにも下半身のリラックス。
具体的にいうと、ストレッチがいいですね。
下半身のストレッチ法は、スポーツジムにいくと教えてもらえるような、基本的なもので充分です。
と、長くなりましたが、鳩山首相の演説に学ぶ、声の出し方でした♪
「実は、私も今度、大勢の前でスピーチをする機会がありまして・・・」
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http://www.citywave.com/lifestyle/moe/100818/
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