こんにちは!
恵比寿でヴォイストレーニングしている、声の芸術家相川陽介
です。


今日、恵比寿西口のバスロータリーにて、
「たちあがれ日本」
さんたちの、街頭演説を聞かせていただきました。


レッスンを終え、スタジオを出ましたら、なにやら、駅前で
人だかりが。

なんだろう?

と思ってみると、平沼さん、園田さん、与謝野さん、そして、
「石原慎太郎 都知事」
がいらっしゃってました!!


と、これは、スピーチ・プレゼンなどの話し声に強いヴォイス
トレーナーとしては、格好の分析対象なわけです(笑)


30分、じっくりと聞かせていただきました。


以前、安倍元首相の街頭演説を新宿で聞かせていただいたり、
実践の場で分析すると、大変学ぶことが多いです。


まず、街頭演説、全般について書いてまいりたいと思います。

街頭演説には、少なく分けて2パターン。

1、マイク使わず、人通りの多いところでしゃべる

2、マイク使って、車の上に立ってしゃべる


国会議員クラスになると、車上である場合が多いようですね。

街頭演説では、不特定の多数の聴衆に向けて語っていくため、
通常のスピーチよりも、声をはる必要があります。


そのため、声は高めに、勢いを感じさせるようなトーンでしゃべ
っていくのです。


ただし、ほとんどの方が、そのトーンでしゃべっていると、
数週間のどが持たず、かれていってしまいます。



さて、たちあがれ日本代表与謝野さんの声について。
かなりしゃがれ声で話が始まり、『ノドかれてる?』という
印象を受けました。
それだけ、各地で遊説されてらっしゃるんでしょうね。


声の高さは、ドレミでいう、ファくらい。
高すぎず、低すぎず。

なのですが、お年でいらっしゃる印象が、どうしても10分間の
演説中に、払拭されず。

知的な印象は受けましたが。


続いて、たちあがれ日本園田さん。
印象として、弁舌爽やかで、非常に若々しい印象がありました。
10分間の演説の中で、ド~ドまで、1オクターブの音域を使って
お話されていましたので、かなり、表現力がある感じです。


最後に、現、東京都知事、石原慎太郎さん。

100人以上、恵比寿駅前にいる聴衆を、虜にしていました(笑)
さすが、すごいですね。

声のトーンは、ミくらい。
街頭演説としては、かなり低めです。

滑舌が悪く、また、ぼそぼそっとしゃべられるので、非常に言葉
が聞き取りづらかったです。

たぶん、普段、聞き取りづらい声を聞きなれている僕が、聞き取
りづらいと感じるのですから、そこにいたほかの方は、もっと
聞き取りづらいと感じたでしょう。


しかし、聴衆は虜。
相川も、気がついたら、18分間、聞き入っていました。


まず、他の演者と違ったこと。
気というか、態度です。

石原さんが、会場に出てきたとき、それだけでそこの雰囲気が
変わってました。

石原さんの態度は、大物っぽさがにじみでてて、見るからに石原
さんだな、という感じ。

登壇すると、それだけで拍手。


「日本はこのままじゃもたないよ!」


を、18分の中で8回繰り返していました。
反復は強力なスピーチメソッド。


豊富な引用。
「日本の首相が、今、なんて呼ばれているか知ってますか?」

「ハトじゃないよ」

「中国人は、カモだっていってる。」

「アメリカ人は、ターキーだって。」

「またね、京都に鵜飼がいるでしょう。あの鵜なんじゃない
かって。誰が鵜飼かって、わかるでしょう?」


「この話の落ちはね・・・」








「ニッポンの、ガンだよって。」










うまい、うますぎる・・・と、聴衆は思っていました。
そんな話を、計5個されて、最後には、やはり拍手でした。


さて、3者の話しぶり、声の分析をしましたが、総評として、、



「玄人の話し手は、低音の話し手である」



ということ。

同じ例として、船井総研総帥の船井幸雄さん、京セラ稲盛さん等
がいらっしゃいます。


なんだかんだ、高音で演説するのは、結構体力がいるんです
よね。
それは、普段の話し声より高いからです。


普段と同じ自然体の声で登壇してしまうところが、玄人ですね。

しかしそれは、度重なる経験があって、融通無碍の状態だからこ
そできる技。


素人が、いきなり自然体で!というのは、絶対にできないこと
です。


どんな分野でも、玄人は、自然体でその分野に取り組んでいます
ね。


朗読もまた然り。


延々とやっていると、だんだん、普段の話し方が朗読の話し方
のようになり、また朗読中も、作為的な感じが消え、普段の平易
な感じになっていきます。


歌でもまた。


ジャンルにもよりますが、一般的に、ミュージカルやJPOPでは、
普段の話している声の延長に歌声があるというものです。

これは、鍛えられた、無駄のない話し声があってこそ、できる
技です。



たちあがれ日本。


日本人として、自分も、国のことは考えていたいな、と思いま
した!