こんにちは!
声の芸術家です。


先日、テレビで鳩山首相の所信表明演説が報道されていました

ね。


リアルタイムで聞かれた方も多いのではないかと思います。


声の芸術家ブログ



今回は、
「鳩山首相の所信表明演説に学ぶ、声の出し方」
というテーマで書いてみたいと思います。


これは、一対100名以上とか、かなり大人数に対してスピーチ

をしたりプレゼンテーションをしたりする人向けですね。


ちなみに、所信表明の全文は・・・・↓
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20091027ddm01001010

5000c.html


ポイントは3つです!
「これがよかった!」というのが二点。
「これが、こうなればもっといいのに!」という点が二点。


まずは、これがよかったという点。


1、原稿の書き方

2、マイクの使い方、距離


まず、1の原稿について。
これは、今までの、ただ書かれている文章を読むだけというス

タンスの演説から、かなりわかりやすいものになったのではな

いかと思います。

「タクシーのラジオで聞いても首相が何を感じているか分かる

ように」

ということテーマに、松井孝治官房副長官がライティングされ

たとのこと。


原稿を読むとわかりますが、NLP(神経言語プログラミング)

と呼ばれるコミュニケーション心理学のメソッドが多様されて

います。


NLPとは、と言っても、自分はその道の専門家でないんですが

、ちょっとかじった知識にて。。
専門家の方も、このブログを読んでくださっていると思うんで

、恐縮ですが。


すごく、奥が深い学問領域です。


要は、主要な情報アクセスモードを駆使することによって、聞

き手との信頼関係(ラポール)を構築していく、ということで

す。


情報アクセスモードとは、自分の脳から情報を引っ張り出して

くるときに使う手法のことです。

目で見る、視覚情報。→V

耳で聞く、聴覚情報。→A

肌で感じるもしくは心で感じる、体感覚情報。→K

この3つのアクセスモードが主要です。
人間は、この3つの情報アクセスモードのうち、どれかが強か

ったり弱かったりします。

ちなみに、声の芸術家として活動する前の僕は、Kが圧倒的に

強かったです。

声の芸術家になってからは、圧倒的にAが強くなりました。
音に敏感でなければできない仕事だからです。

理論的な説明をするヴォイストレーナーモードのときは、V情

報を多様しています。


コミュニケーション上手の方は、自然と、このV・A・Kを、バ

ランスよく配合してしゃべっています。

なぜなら、そうすると、どのタイプの人にも、信頼関係を構築

しやすいからです。


もちろん、例外はあるでしょうし、一概にタイプの分類ができ

るものではないでしょうが、概論として。


さて、NLPの話を、鳩山首相の演説に適用していきましょう。


「私たちが全力を振り絞ってお互いに闘ったあの暑い夏の日々

を思い出してください。皆さんが、全国の町や村、街頭や路地

裏、山や海、学校や病院で、国民の皆さまから直接聞いた声を

思い出してください。」


暑い夏の日々・・・と言われると、Vタイプの人は、選挙カー

の映像が浮かぶかもしれません。Aタイプの人は、有権者の実

際の声、声援が聞こえるかもしれません。Kタイプの人は、夏

の暑さや、熱狂の中の興奮したという感覚が思い出されるかも

しれません。


このように、どのタイプにも信頼関係を構築し共感しやすい言

葉を選んでライティングされたスピーチなのです。


以下の文章も、共感しやすい部分の典型ですね。


「青森県に遊説に参った際、大勢の方々と握手させていただい

た中で、私の手を離そうとしない、一人のおばあさんがいらっ

しゃいました。息子さんが職に就けず、自らのいのちを断つし

か途がなかった、その哀しみを、そのおばあさんは私に対して

切々と訴えられたのです。毎年3万人以上の方々のいのちが、

絶望の中で断たれているのに、私も含め、政治にはその実感が

乏しかったのではないか。おばあさんのその手の感触。その眼

の中の悲しみ。私には忘れることができませんし、断じて忘れ

てはならない。社会の中に自らのささやかな『居場所』すら見

つけることができず、いのちを断つ人が後を絶たない、しかも

政治も行政もそのことに全く鈍感になっている、そのことの異

常を正し、支え合いという日本の伝統を現代にふさわしいかた

ちで立て直すことが、私の第一の任務です。」


感情を示す言葉、音を示す言葉、視覚を示す言葉がちりばめら

れていることがおわかりいただけると思います。


これをライティングした、松井官房副長官が、NLPのメソッド

を多様していらっしゃるであろうことが推察されますね。


また、オバマ大統領を意識した、「変革」という言葉を、50分

の演説の中で9回も使っています。


短い言葉の反復は、強烈な印象を与えます。

選挙戦の後半になると、立候補者が、


「自民党、自民党、自民党、自民党・・・」

「民主党、民主党、民主党、民主党・・・」


と繰り返す風景を見ることができますが、これは、我々の無意

識かに働きかける一種の催眠効果があります。

変革、を強調して、政治改革を推進するための布石ですね。


2つ目のポイントについては・・・・・