風花が一片二片
君の髪に舞い降りて……
秋も終わりを告げ、冬が来る頃にいつも思い出す、さだまさしさんの「晩鐘」
初雪があまりにも早く訪れた関東地方は、天気予報と路線情報ばかりのニュースに、着ていく物を引っ張り出す作業が朝の訪れになった。
北の国からは比べものにならない程の雪の量だし、一日も降らない短いものなのだが、雪には恐怖すら感じるような報道の熱心さである。
私が産まれた日は雪が深かったと両親から聞いた。
産まれたときのことなんて覚えている訳がないのだけれど、決して寒くはなかったはずだ。
暖かいいろいろなものに包まれていただろう。
そのときから時間の流れに乗って現在まで来たのだけれど、いろいろな次元で別方向に時間が流れているのではないかと想像してみたりもして、別の時間の流れの私は何をしているのだろうかと、そこまで考えて可笑しくなってやめた。
なんにしても私はしっかり生きている。
明日雪が解けても変わらずに。