連日のロシアによるウクライナ侵略報道に接して、ベトナム嫁は心を痛めています。


 「戦争が始まってからもう2週間以上になる。長すぎる。いったいいつ終わるのか」と聞かれ、「わからないけど、ベトナムはアメリカと10年間戦争をしたじゃないか」と答えると、
 「それでどうなったの?」
 「ベトナムがアメリカを追い出したよ」
 「どういうふうに?」


 いや待って。それ知らないの?
 まさかベトナム人相手にベトナム戦争の解説をする羽目になるとは思いませんでした。
 


 ベトナム嫁はものを知らないと感じることはよくありました。単に知識がないというだけではなく、私たち日本人なら当たり前のように知っていることを知らないのです。


 例えば、妊娠末期に胎教のためにYouTubeのクラシックを流したことがあるのですが、そういった曲を嫁は聞いたことがないと言います。

 

 私も音楽の素養などあるわけではありません。クラシックをちゃんと聞いたのは小学校の音楽の時間くらいです。それでも、日本でふつうに暮らしていれば、お店のBGMやテレビ番組で頻繁に使われていますから、超有名なクラシックの曲はいやでも耳に入ってきます。どの作曲者の何という曲かまではわからなくても、有名な曲だということは聞けばすぐにわかります。

 


 そういった曲を嫁は全く聞いたことがないらしいのです。ベトナムでは音楽の時間にクラシック鑑賞をしないんでしょうか。BGMで使われることはないんでしょうか。


 ベトナム滞在時代のことを思い返してみると、たしかにクラシックの曲を聞いたという記憶はありません。とはいえ、ねえ……。
 
 そんなわけで、教養の面で私の方が嫁よりはるかに勝っているのは明らかです。嫁はすべからく尊敬の念をもって日々私に接してしかるべきなのですが、残念ながら実態はこうです。