テノールという声種は、高音との勝負が常につきもの。

初心者の方は、

「上のファ(F4)がでません!」というところから始まりますし、上級者になれば音域は更に上のド(C5)のあたりまで頑張ってやっていかなくてはなりません。


更に本格的にやっていくとなると、

「とりあえず音がでればオッケー!」というわけにもいかなくなり、

響きや声質など、色んなことにこだわっていくことになります。

声というのはとても奥深いものなんですね。


さて、

そんなテノールにまず大事なのは裏声です

裏声の発達によって、音域が伸び、安定していきます。


しかし、

毎日裏声の訓練だけしていても、いいテノールにはきっとなれないことでしょう。

当然、地声の練習も必要になってくるのです。


なぜかと言うと、

地声には声にパワー感を持たせる役割があるからです。


重たいテノールでも、軽いテノールでも、この要素というのは必要になってきますし、オペラ系の歌い方は特にやらなくてはなりませんが、合唱団員としてテノールを歌う場合にもこれをきちんとやっている方がやはりパートに響きの厚みが出てきます。


高音ばかり気になるのもわかりますし、ついつい練習では高い音に集中しがちになってしまいますが、

低いド(C3)付近の音や、それより低い音などもしっかりと練習してください。


それにより、充実した響きの中低音、そして高音をだせる良いテノールになっていくはずです。


ここで勘違いしてはいけないことは、

地声の要素が大事だからと言っても、高い音を太く、重たく出すというわけではないということです。

そのようにしてしまうと、踏ん張ったような聴きにくい音質になるだけでなく、高音は出しにくくなり、響きも失われてしまいます。


あくまでも低音をしっかり練習することで、地声の機能を発達させることが大事であり、

それが整うと、高音は勝手に厚み・豊かさを増していきます。


焦らずコツコツやっていってみてくださいね^_^