日本では、洗髪の習慣は過去に遡る程頻度が少なく、
日本髪が結われていた時代は1ヶ月に一度程度というのが一般的であった。
また、結う際に油で艶を付けるという考えから、
洗髪によって髪を美しくするという概念は今ほど強くなく、
ふのり、米ぬか、小麦粉などで髪の油分を奪う洗い方が多く用いられていた。
日本に洋髪が入ってきた時代、日本人の硬く太い髪を洋髪にするのは困難であり、
髪に適度な油分を与えるシャンプーが好まれるようになり、普及し始めた。
現在では知る人は少ない、「七夕に髪を洗うと髪が美しくなる」という言葉は、
洗髪が日課として行われていなかった時代を反映していると言える。
そんな中、江戸時代に「洗い髪」が、町屋、
ことに花柳界の女性の伊達な誇りとして流行した。
江戸の女性は髪を洗うときは絞り染めの浴衣を着て、
前垂を背にかけて、髪垢で着物が汚れないようにした。
洗った後は髪が乾くまで散らし髪のまま近所を出歩き、
乾くと油をつけないで仮結にし、それを粋の極致とした。
この洗い髪の粋な艶姿で有名になったのは明治時代、
東京の名妓、「洗い髪のお妻」である。
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