Vクリスタルについて簡単にまとめると。

 Vc 84 年に月面で発見された遺跡内に
存在していた巨大なクリスタル。
長軸 4.0m 短軸 2.8m の八面体。
正確には、長軸 4018mm 短軸 2872mm
(数の意味としては不明、もしくは関連を見出せていない)
部分的に発光・明滅を不定期に繰り返していた。

 この結晶体のわずかながらの機能として
(全てではない点に注意、しかし全ては解らない。)
人間の意識を任意容量、吸収捕縛して
その、精神活動のイミュレーションを行う。
この精神干渉作用によって引き起こされる現象を
現場スタッフは "virtual on" と呼び。バーチャロン現象を
起こすクリスタルをVクリスタルと呼ぶようになった。
(ストーリー的にバーチャロンの語源は恐らくここ)

以上がスキマッティックよりまとめたものです。
(括弧内は私の意見です)

 このイミュレーション中の様子について
吸収・捕縛した対象の反応を逐次調べているのではないか?
患者#0162の証言より考えられるのが。

(名前ではなくコードなのは電脳歴の社会において
公の場において個人名があがる事が稀なのか。
もしくは、DN社では個人名が上がる事が稀なのか)


・吸収、捕縛のイメージ。

・吸収、捕縛後の大まかな精神構造の写し。

・さまざまなシチュエーションの提示 (精神構造の反応マッピングか?)
→子供から成年に至るまでとも言うべき成長を行う。

・完成したそれを複製していきそれらをみせる。
→自分自身を超視点で見つめさせて、そして放散させていく。

 最初、Vクリスタルをまとめるに当たって
「自己の精神を拡張させる事が出来るものなのか」
と、仮定を立てていたのですが。ところがどっこい。
Vクリスタル自体では何ら拡張性を持ちませんでした。

 イミュレーション中ではなく患者から意識を任意容量
吸収捕縛する所から患者が覚醒するまでの流れをまとめると


・患者から意識を任意容量、吸収捕縛。
→患者意識喪失

・Vクリスタルが活性化

・Vクリスタル精神活動のイミュレーションを行う
→このとき特異フィールドが発生する。
→変調する波動が奇妙に交錯する。

・一定時間経過後に活性レベルが低下

・患者が覚醒、一部記憶喪失などの後遺症。
→最悪の場合は廃人。

 この流れで重要になるのが「特異フィールドの発生」と
「変調する波動が奇妙に交錯する」です。
「特異フィールド」については電脳虚数空間に対応し
「変調する波動」ではこの先の VOP に対応します。

――――
 VOP (Virtual - on Positive)「バーチャロン適性の高い者」
意識喪失→回復のシーケンスをへて何ら
後遺症を伴わない者のこと。
VOPの高い者はクリスタルの発する固有の波動に同調、
なおかつそれと一体化する事無く、自立的に変調できる
いわば調律能力を有していた。
――――

 私見をまとめると。
「自己の精神を拡張させる事が出来るものなか」では無かったですが
道具として、物に使われて自分を持っていかれないように。
 例えば、ハイパーテキスト(今まさに書いてるこれもそうなんだけど)
掲示板、などのWebスペース等々に流れが似ていると見るんですよ。
ここにVOP値の高い者を配置する事で、「和して同せず」と
言えることが出来るんですね。

 確かに今のテキストスペースは相互作用として思想や運動が
高みに行くことは可能だとは思うんですが、あくまでそれは
全体のことであって、一個人の高みにはなり得るのかが疑問なんです。
今のシステムを否定する気もありませんし全面肯定する気もありません。
なんだか逃げてるように見えますが、そうですね例えて言うなら
線形でも非線形でもなくて複雑系。

 今回、色々と参考にさせてもらった本は
「ライティング スペース」ジェイ・デイヴィット・ボルター
「脳は空より広いか」ジェラルド・M・エーデルマン
2冊とも読んだのは訳本です。



余談
電脳歴の社会で 「V.C.における中世的停滞」 の一説を
唱えているスルーオ博士という人物が登場してるのですが。
言葉遊び的にスルーオをドイツ語っぽく書いてみて。
[ZURUO] これを発音の[ス][ル][オ]の三文字の頭を
逆からしかもあえて小文字にして書いてみたら。

[orz]

狙いすぎか?

前回からの続きで今回はその他のオーバーロードです。

・企業がイメージキャラとして製作した疑似人格
・渉外業務用インターフェイス
 明らかに人間としての範疇を超えてしまった存在

※電脳歴では「人間」と見なされない存在に対しての
権利は著しく制限されている、ただし上のような場合に
おいてまた法律上これを人間として支障が無いレベルまで
義務と権利が整合性あるシステムとして成立してしまう場合
既得権として黙認されていた。

 以上までが「スキマティック」より一部抜粋引用。
Overload が全て「人間」ではなく、電脳歴においては
「人間ではない存在」も(人間的な実体を持つものとして把握が困難な)
社会的に許容される余地が生じていた。
 とは言ってもその後に生まれた(?!)疑似人格などについては
彼ら(彼女ら)には多くの権利は存在せず社会的には活動を制限されていた。
彼ら(彼女ら)は制限付きではあるが、相当数の存在が社会的は
容認されていた事になる。

 もちろん、キャラクターとしてではなく「人間」としてである
「人間ではない存在」ではあるが。
 これはハッター軍曹が人かサイボーグ化したA.Iであるかと聞かれても(※注
実際のところどうであれ「人間」として許容される(されている)素地となっている。

(※注
マーズの取説、ハセガワ製ハッター軍曹プラモにある解説に
軍曹がある時期を境にサイボーグ化しているのでは無いか、と言う記述より。

――――
――
 今これを書いている段階では完成された疑似人格の開発は
いまだ成されていないが、これから起こりうる問題の一端は垣間見える
ところに在ると見たならば、先に考察の準備をしていても遅すぎる事は
無いはずである。(そこに仮にあったならばと考えるだけでも)
 疑似人格の開発をめぐって「心」の存在については既に議論が
開始されているのでここでは深く立ち入りません。
代わりに参考文献を上げておくと。

・黒崎政男:著 カオス系の暗礁をめぐる哲学の魚:NTT出版 1997

この本の第5章と第6章、チューリング・テストと霊魂論(上・下)
この章を参照して下さい。
考え方の焦点、仮定を考える時の虚焦点がいくつも持てたならば
結果が難しい問題でも解決に至れると。

 Overload オーバーロード
一番入手しやすい資料だとやっぱりマーズからになります。
あんまり情報量は多くありませんけど。
ハセガワ製のプラモで機体解説で少し登場した人物もいますね。

 スキマティックの内容を簡単に纏めると。
超法規的特権階級、企業国家の有力株主であり、その企業は大抵の場合
複数にまたがっていて、天文学的資産力、有力株主としての
発言力を持った人達の事、要は電脳歴における資産家のお金持ち。
 彼ら(彼女ら) が時折見せる気まぐれな行動が企業との利害と対立して
様々なトラブルの要因となった。

 彼らが電脳歴をどう過ごしていたかの方が今回重要なのです。
有力株主でもある彼ら(彼女ら) は複数の企業をまたいでいたので
その時代を俯瞰もしくは鳥瞰出来る数少ない存在。
 企業国家は当然、お互いを比べる事はしても全体を見渡す視野は
持っていなかった、そう考えるのが妥当だとすると彼らの存在は
必要不可欠なものともいます。
 彼ら(彼女ら) が見せる気まぐれな行動は社会の統制を取るもの(為政者として?)
だとしたならば、利益を優先する企業国家と対立する事もあったのではないか。
 とは言っても、全てのオーバーロードが為政者としての自覚があったかどうかは
疑わしいです、何故ならマーズの冒頭にもあるように
「限定戦争がガジェットと化したプロパガンタに酔いしれ」と
政治的交渉手段として、またお遊びとして道楽に興じていた人が
居なかったとは言い切れないからです。

 今のところ全シリーズにおいて登場している重要人物
ディフーズ・アルフレート・ド・アンベルⅣ (Difuse Alfred de Anble Ⅳ)
アンベル家14代目の若き当主。

―― マーズでは「アルフレード・ド」になっていますが[スキマティック]及び
[真実の璧]では「アルフレート・ド」になっているのでこちらを採用。
発音から来る表記の違いだとは思うんですけどね。
 後、14代目と言っているのに表記が「Ⅳ」なのは10代目以降は
「Ⅹ」を表記しないのが通例となっているからです。――

 [O.M.G.][オラトリオ・タングラム戦役]においてはその気まぐれ
勝手な行動で周りを混乱に陥らせた人物ですが
打撃艦隊フォースを設立している事から分かるように

・戦闘結晶構造体「アジム」「ゲラン」
・幻獣戦機「ヤガランデ」

 これらの脅威を防ぐ為の行動として捕らえてみると
それまでの行動に一貫的な説明が可能になるんですよ。
こう言った脅威を防ぐ為の行動として DNA と RNA が
共同戦線を張っていたとしても何ら不思議は無くなるのです。
 企業国家や限定戦争のユーザー、現場の兵士にとっては
いささか不可解な行動に見えるのは想像に難くないです。
 ホワイトナイトのバスケス大尉も愚痴を言って事から
現場レベルではお互いの行動の情報共有は
成されていないと見るのが妥当でしょう。

 利益優先だけ考えず、自分の事を考え
相手の事も考え、その先の全体の事を考え
さらにもう一個上の事から考えられるように。
 これは自分にも反省させらる所です。

多分次は、その他の Overload とハッター軍曹を
扱うと思います。ではまた次回。