サルバドール・ダリ 「内乱の予感」 1936年 100.4x100.4cm フェラデルフィア美術館蔵
1904~1989(スペイン)
1904~1989(スペイン)
何を描いたのだろうか?
この絵の正式な題名は『ゆでたインゲン豆のある柔らかい構造;内乱の予感』だそうで、この作品を見て、この題名だと何がなんだかさっぱり分かりません。
ダリはスペインのカタルーニャ地方フィゲラスで、裕福な公証人の息子として生まれます。
この作品が描かれた半年後に、ダリがこの絵で予言したとおり「スペイン内乱」が勃発し,その後1937、4月26日にドイツ軍とイタリア軍によってバスク地方のゲルニカが空爆され、それに激怒した、スペイン生まれのピカソが「ゲルニカ」を描き、その後第二次世界大戦へと突入します。
この絵は「スペイン内乱の予感」を描いているのですが、私の勝手な解釈で、ダリが実際にそう思って描いか分かりませんが、この絵をじっと見ていたら、ヨーロッパ地図に見えてきて、鷲づかみにされた乳房がスペインで足がイタリア、顔がソビエト、鷲づかみにしている手がナチスドイツでしょうか。
ヨーロッパを老婆に擬人化して描いているなら、私が最近このブログで取り上げた、ドラクロアの『民衆を率いる自由の女神』で自由の女神が乳房をあらわにして、「自由」「平等」「博愛」を掲げて戦う場面を思い出しました。
乳房を鷲づかみにされて苦痛に耐えている老婆が、ドラクロアが描いた理想を掲げた若き自由の女神の100年後であったなら、独裁者によって理想が打ち砕かれ、苦痛に耐えているヨーロッパ、そして全世界を、ダリは描いたのではないでしょうか。
表題の「ゆでたインゲン豆のある柔らかい構造」の意味はまったく分かりません。
もし分かる方がいましたら教えていただきたい。
もし分かる方がいましたら教えていただきたい。