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ジョルジュ・ブラック 「ギターを持つ少女」 1912年 130x74cm パリ国立近代美術館蔵
1882~1963

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      パブロ・ピカソ 「闘牛ファン(トレロ)」 1912年 135x82cm バーゼル市立美術館蔵
1881~1973


     ブラックとピカソ

上の作品と下の作品は一見同じ作家が描いたのではないかと思う程、よく似た技法で描かれています。
上の作品がジョルジュ・ブラックの「ギターを持つ少女」、下はピカソの「闘牛ファン(レトロ)」。

作者名を隠され二点を並べて、誰の作か言い当てるのはよほどブラックとピカソの絵に精通している人でないと区別するのは難しいのではないでしょうか。
でもブラックとピカソの二点の絵をよく見てみると、ブラックとピカソの違いが見えてきます。

絵を見るとき全体を見るのは当然ですが、細部を見るのも絵を見る楽しみで、二点の作品の全体を見た感じは、下のピカソの絵は上のブラックの絵と比べて張りがあり、リズムがあり、力強さがあり、構図的にも優れています。

なぜピカソの絵はブラックの絵より張りを感じ、リズムを感じ、力強さを感じるのか。
それは細部を見比べるとよく見えてきます。
ブラックの線には躊躇を感じますが、ピカソの線には迷いはありません。
ピカソの作品は、線の一本一本に力がこもっていているし、点にもリズムがあり、構図的にも厳しく、立体感にメリハリがあり、四方八方に燃え盛るエネルギーのパワーが拡散しています。

ブラックとピカソの作品を見比べるとピカソの偉大さが見えてきます。

ブラックとピカソはキュビズム時代、同じアトリエで作品は描かなかったそうですが、お互い頻繁に会い意見交換したそうで、お互いに影響しあいキュビズムが生まれたので、どちらがかけてもキュビズムは生まれなかったでしょう。