ずっと昔、
もう二十年以上前になるかな。
ボクがVMDの仕事を始めて間もない頃
師匠のジャックに教わった、VMDの定義。
こんな内容でした。
『「ヴィジュアル・マーチャンダイジング」
という言葉は
もうかなりポピュラーになってきているのですが
その理解の仕方は、まちまちなようです。
そして、どうもこの言葉が一部では
ただ視覚に訴える魅力的な売り場演出や
販売活動といったように
完全な理解なく用いられ
進められているような気がしてなりません。
「エキサイティングな売り場作り」
というような言葉を、良く耳にするのですが
エキサイティングの意味が多くの場合
見た目の驚かしといった感じで
終わっているのではないでしょうか?
ヴィジュアル・マーチャンダイジングの狙いは
生活者の生活欲に対して
刺激と啓発を進めていける売り場を
創造することにあります。
それを理屈よりも、感性のメッセージで
視覚に伝達していこうと言うもので
そういった意味で
「チャーミングでエキサイティングな売り場を作る」
と、いうことです。
したがってやるべきことは
売り場の内装や、演出のための小物
備品はもとよりディスプレイ及びレイアウト
といった面での視覚演出にとどまりません。
重要なことは
「商品企画(計画)・仕入れ・販売といった、一連の
マーチャンダイジング活動を
ヴィジュアル訴求力のある一貫した仕掛けによって
完成させること」なのです。
これがヴィジュアル・マーチャンダイジングの神髄なのです。
つまり、商品企画と
売り場における視覚的な演出が密着していることが
ポイントである訳です。
そういった意味で、売り場をどう作るか?
商品をどう売るか?は、商品納品後の問題ではなく
仕入れ時に組み込むべきことであろうと思われます。
とかく、商品企画(展示会)というものと
売り場構成や、演出
というものとは別にして考えてきたようです。
いや、むしろ常に商品企画が先にあって
売り場演出が後についてきたのではないでしょうか?
これでは生活者に対して、実のある啓発や
エキサイトメントを与えていくことは出来ません。
これらを一体化していくことこそ
もっとも大切な課題なのです。』
わかり易いですよね。
今でも充分通用する定義だと思います。
この定義は
まだSPAという業態や言葉がメジャーになるずっと前
のものです。
(SPA=商品企画・製造・プロモーション・販売までを一貫して行う小売り業態のこと)
いま、SPAがすっかり定着し更に進化している
はずですよね。
しかし、売り場の現状はどうでしょうか?
消費者に向けて、“チャーミングでエキサイティングな
売り場”を提案出来ていますか?
マーチャンダイジング活動が
“ヴィジュアル訴求力のある一貫した仕掛け”
によって、完成されていますか?
“売れ筋を追いかけるスピード”
や “原価率の低減”
は進みました。
逆に言うと、
“同質化”と“安売り”
も進みました。
でも売り場の魅力はそれほど進んでいない
いやむしろ後退しているようにさえ思えます。
今一度、この
“ヴィジュアル・マーチャンダイジングの志し”
しっかり思い返して、取り組みたいものですね・・・
