昔、VMDという仕事を始めて間もない頃
良く西の街へ出張に行きました。
特急列車に二時間ほど揺られて行きます。
しばしば満席のことがありました。
そんな時はビュッフェに行けば、大抵座ることが出来ました。
ビュッフェは割合好きな場所でしたね。
朝のまだ早い時間、陽の射した窓際に座って
今日のプランを考える。
どんなショーウインドウにしようか?
お客様は注目してくれるだろうか?
PPはどうしよう?
IPは?・・・・・
暖かい陽射しと、コーヒーの香り
それに混じった香辛料の匂いが
緊張を和らげてくれます。
リラックスしてプランを考えることが出来ました。
西の街へ着くまでの車窓風景
トンネルがやたらと多かった。
遠くに、キラキラ光る海が見えて
トンネルがあって
田園風景が続いて
トンネルがあって
山間の風景があって
トンネルがある・・・
住宅地が続いて
トンネルがあり
トンネルを抜けると
ふいに駅に着いている・・・
昔、テレビのチャンネルをまわす時
放送しているチャンネル
していないチャンネルが交互にあって
チャンネルをどんどんまわしてゆくと
場面と場面が切り替わる間に
必ず砂嵐が挟み込まれるような
リズムになった。
トンネルの多い風景は
そんなテレビのシーンの切り替え
みたいでした。
ビュッフェでぼんやりしていると
場所と場所を移動しているのではなく
(実は自分は動いているのではなく)
周辺の風景が舞台のように変化している
そんな錯覚をおぼえることがありました。
時間だけが経過して、風景は変わっても
自分はどこへも行けていないような錯覚・・・
今、特急列車にビュッフェはありません。
でも今も時々、自分がちゃんと移動出来ているのか?
わからなくなるときがあります・・・・・
