いい音を出すには?

 

 

前半:弓圧と弓速度、弓の位置の関係

前提:

強い音を出したいとき→弓圧を高くする、弓速度を早くする

音色をソフトにしたいとき→指板寄りを弾く(指板寄りは弦からの抗力が小さいため)

 

 

解説動画前半

 

 

いい音にするためのポイント:

3つのパラメータが関係する:弓圧、弓速度、コマからの距離

 

参考動画から理解できること

1,同じ位置で弾いていて、

弓速度が速い時 音が裏返った場合→弓圧を高くする

が速いままなら、を増やすべき 

 

2,同じ速度で弾いていて

弓圧が低い時、音が不安定で鳴ってない→指板寄りを弾く

が小さいままなら、を増やすべき

圧が高い時、音がギギッとなったら→コマ近くを弾く

が大きいままなら、を減らすべき

 

弓圧

弱い

強い

弓速度

遅い

速い

位置

指板寄り

コマ寄り

 

3つのパラメータの関係式の予想 

 

ここまでのまとめ

A. 指板寄りを弾きたいとき 弓を速く弾く、 または、弓圧を小さくする

B. 弓圧を大きくしたいとき 弓を速く弾く、 または、コマ寄りを弾く

C. 弓を速く弾きたいとき 弓圧を大きくする、 または、指板寄りを弾く

 

 

 

参考文献(前半)

 

参考動画:前田昌利さんのチェロ講座Youtube動画: https://www.youtube.com/watch?v=Y5QDwjim7SE

 

 

後半:きれいな音を出すために許される弓圧の範囲

解説動画後半

 

[1]によると弓圧f,弓速度vb, 弓の位置β(弓のベータ分点として位置を示す。ベータが小さい時駒に近くなるように撮る)これ以外は定数として扱えるのでここでは説明略する。次は順に[1],[4]で使われている表式である:

 

 

 

これらは前半の記号を使っていえば、弓位置が固定されている時、弓圧と弓位置は比例することをいっている。

上の仮説と一致している。さらに参考文献[3,4,5]ではきれいな音の出る領域を書いている:

この図の2本の赤い半直線の間がその領域である。  つまり、弓速度が一定な場合、駒の近いところを弾けば弾くほどきれいな音を出すために許される弓圧範囲は狭くなることを示している。 

この図では対数スケールを使っているので

 

で表せる2本の(半)直線を図示していることになる。

 

参考文献(後半)

[1] https://www.youtube.com/watch?v=WBBO5sjbPbw

[2] https://pubs.aip.org/asa/poma/article/52/1/035006/3286825/A-mathematical-study-about-the-sustaining

[3]* https://euphonics.org/9-3-how-a-violinist-can-go-wrong-schellengs-diagram/

[4] James Woodhouse. On the playability of violins. part ii: Minimum bow force and transients. Acta Acustica united with Acustica, 78(3):137–153, 1993.

[5] John C Schelleng. The bowed string and the player. The Journal of the Acoustical Society of America, 53(1):26–41, 1973.