今日はクラシックのコンサートへ行ってきた。ハイドンの交響曲55番、モーツアルトヴァイオリン協奏曲3番、クライスラーヴァイオリン曲4つ。
ハイドンも含め、コンサート全体としても良かった。今日のコンマスは女性だったが、この人こんなにうまかったかなと思うぐらいだった。
でもなによりソリストのヴァイオリニストがとてもよかった。モスクワ音楽院准教授の ユリア・イゴニーナさん。音に厚みがあって、弓の毛が普通の人より3倍ぐらいあるんじゃないかと感じるぐらいだった。安定感は抜群で、音の色彩が豊かすぎて、すべての情報を受け止めきれないぐらいだった。
例えるなら、ノーベル物理学賞の学者の講義で、聞いたこともない新しい概念が次から次へと流れてきて、もったいなくてぼーっとしてられないけど全部消化するのは無理がある状態。彼女の演奏は聞くだけで自分のヴァイオリンがうまくなる演奏だ。冗談ではなく、多分こういった演奏を聴くことのある彼女の教え子は得るものが多いだろう。
以前も一度どこかでたまたまモスクワ音楽院の教授の演奏を聴いたことがあったがそれもびっくりするぐらい凄い演奏だった。こんな演奏家(いや教師というべきか)があそこにはごろごろいるのだろうか。例えば、チャイコフスキーのコンクールで1位をとる演奏家は何人もいるけど、その人たちから見ても演奏の仕方が全く違う次元、別格という感じなんじゃないかと想像する。
モーツアルトは実はそんなに好みの作曲家じゃない。でも「こんないにいい曲だったのか」と、彼女のモーツアルトヴァイオリン協奏曲を聞いて思った。クライスラーは「美しきロスマリン」などを期待して行ったところ、期待以上の彼女独特の演奏だった。でもとくに最後の曲のクライスラーの「前奏曲とアレグロ」が圧巻。ヴァイオリンにこんな多彩な表現ができるのかと驚いた。多彩すぎて聞いているこちらは頭が(いい意味で)混乱してくるぐらい。たぶん自分のヴァイオリンは少し進歩したと思う。内面的な意味で。弾き方への想像力がひろがる。
ここの演奏は写真・録画OKなところがうれしい。
↑クライスラー「前奏曲とアレグロ」