楽譜です。きよしこの夜です。
楽譜の中には重音練習のためにいろんなタイプの音程の重音を入れています。いままで音程の微調整は考えず(そこまで余裕がなく)重音の両方の音をピタゴラス音率でひいてたんですが、今日はちょっと気にしてみました。まず考え方は、
1、重音の二つの音のうち、旋律を形作っているほうはピタゴラス音階の周波数で弾く。
2、もう一方の音は、きれいに聞こえるように(≒相手の音との周波数比の分母と分子がともに小さくなるよう)、ピタゴラスの場合の音の周辺で探して微調整する。じっさいは純正律に基づく音程を選べばよさそう。
3、重音の種類によって音程の幅が、両方ともピタゴラスで弾いた時に比べ、広くなったり狭くなったりする。
この楽譜で出てくる重音を書くと
a.完全4度と完全8度: ピタゴラスの場合と変化なし
b.短6度: ピタゴラスの場合より音程が広くなる
c.長3度と長6度: ピタゴラスの場合より音程が狭くなる
(短3度は計算し忘れてた)
例えばこれ↑をみると、19小節目の最初や21小節目の最初の重音、これは短6度なのでピタゴラスより音程が広くします。旋律を形作るのは上の音なのでそれをピタゴラスに固定、単6度なので下の音はピタゴラスより少し低く、つまり1の指を自分から見て奥の方へずらします。2の指とちょっと隙間ができるぐらいでしょうか。(楽譜で赤い1が1の指、黄色い2が2の指)
一方21小節目の二つ目の重音、長6度なので今度はピタゴラスより音程が狭くします。これも上の音が旋律の音なので下の音を高い方へずらす、つまり(青字の)2の指を手前へずらし、3の指にギュッとくっつけるぐらいにします。
ちなみに、どっちの音が旋律を形作るかは、単旋律で歌ってみて適当にきめます。この曲はよく知ってる曲なのですぐわかります。
一番の歌詞で歌うと、”…めーぐりーいたーもーおーゆーうめーやーあすくー” の”も”と”ゆ”が上で書いた単6度でですが、”も”と”ゆ”は主旋律では上の音で歌うのがきれいです。
下の音に対する上の音の周波数比をみると、短6度はピタゴラスだったら128/81倍(約1.58倍)だったところを、少し広く8/5倍(1.6倍)にとります。比は確かに単純になってます(128/81→8/5)。この辺のところは習慣的には”セント”という単位を使うことが多いのですが、好きじゃないのであえて使っていません。というのは音程は差じゃなくて比で考えるのが理にかなっているからです。もしセントを使うと同じ短6度でも周波数によって違う値であらわされてしまいます。比で表せばいつも”1.6倍”ということができるのでわかりやすいんです。持っているチューナー(動画で映っているもの)がセントの単位で書かれているのが残念なんですが。このチューナーアプリも音律が設定できるのはいいんですが、もっといいのがないでしょうか。
動画です。重音を気にして練習しました。理論は細かく書きましたが、その通りに弾けているかって言うと全然です。でもちゃんと理論を考えてから練習した方が熱が入って効果が高いです。今日は音程にまで気を回せず、後から見たら結構ずれてました。

