『呪われた場所 メリトン』


 バレンシアは自滅し、3シーズン連続の中位でのフィニッシュという異様な現実を生きている。



 バレンシアは自尊心とラ・リーガを出来るだけ上の順位で終えるための挑戦以上のことを何も持たずにメスタージャに戻ってきた。対して、最後までチャンピオンズに向けて戦っているベティスは、バレンシアが自滅するのを待つだけでよかった。リベンジに燃える雰囲気もなく、後半の始め、ボルダラスの選手の曖昧さが、ウィリアン・ジョゼのベティスにリードをもたらすゴールを許した。残り時間、バレンシアは同点を目指して攻撃したが、ペジェグリーニのチームは二つの完璧なプレーでバレンシアにとどめを刺した。ゴールによってスタジアムは「ピーター出て行け」と叫び始めた。それが起こる希望は薄いが、叫ばなければならない。メリトンは宙に浮いているプロジェクトの犯人だ。


 最高の映画監督かのように、開始3分、ウーゴ・ドゥロはバレンシアによる買い取りを祝うための最高のシナリオを作ろうとした。ボルダラスの"背番号19"はオマル・アルデレーテのクリアをコントロールすると、何度か切り返してから、弱いシュートを放ったが、難なくボールをキャッチされた。それは結果的に達成されなかったが、かなり期待の持てる試合の始まりだった。最初の20分間、バレンシアとベティスは攻撃をしない協定を結んでいるようだった。というのも完全に膠着した時間帯に縦への動きを出せなかったからだ。そして最悪のニュースはバレンシアはピッチ上には何もなく、ベティスのチャンピオンズリーグ出場を阻止する意欲もカルトゥハで起きたことのリベンジの意欲すらもなかった、ということだ。


 前半の半ば過ぎ、バレンシアは左サイドを危険なレーンとして使って攻撃しようとした。イライシュ、ブライアン・ヒル、ヘスス・バスケスが反撃の主役だった。危険なエリアでボールを奪い、ファイナルサードで素早いプレーを紡いだ。しかし努力は報われず、勢いは決定的なチャンスにはならなかった。


 ホームチームの反撃は長くは続かなかった。ペナルティアーク内からのセルヒオ・カナレスの直接フリーキックでゴールにより近づいたのはベティスだった。このアストゥリアス出身の選手はオマル・アルデレーテの際どいミスを誘い、数秒後ファールをもらった。彼自身がキッカーを担い、彼のシュートは、コースは甘かったが、可能性の感じさせ、惜しかったものの、ママルダシュビリの硬い手に防がれた。ママルダシュビリはここ数週間のヒーローとしてファンから拍手をもらっていた。


 試合中盤、メスタージャの観客はバレンシアの最初のビッグチャンスで立ち上がるまで、ずっと席に座っていた。前半の最後のチャンスに、カルロス・ソレールのペナルティアークからの素晴らしいボールから完璧なヘディングでブライアン・ヒルがゴールにあと一歩まで迫った。彼のシュートは弱く正面だった。そして特にバレンシアにとっては劣勢で、ミスの多かった前半ををスコアレスで折り返し、選手たちはロッカールームへ戻った。


 さっぱりとした、前半と全く違う顔つきでボルダラスの選手たちは後半のピッチに入った。監督はハーフタイムに動き、ウロス・ラシッチに代わってヘスス・サンティアゴ・"ジェジュ"を入れた。しかしながら最初の勢いは再び落ち着き、ベティスは最初の10分間ポゼッションしていなかったが、最終的にカナレスのボールになった、イライシュ・モリバのビルドアップでのボールロストから最初の決定機を作り先制点を奪った。アストゥリアス人がウィリアン・ジョゼにパスを出し、絶妙な切り返しからママルダシュビリにシュートを放ち0-1とした。57分のゴールだった。

 

 失点がメスタージャとバレンシアを目覚めさせ、ルイ・シルバの守るゴールへますます近づいていった。ボルダラスはこの時間帯を利用し、マキシ・ゴメスとゲデスを入れてさらに攻勢に出た。ポルトガル人の投入でさらにゴールに近づいたが、雰囲気にはドラマが感じられた。最も危険なシーンは74分に訪れた。ゲデスがペナルティ・エリアに向けて、ヘスス・バスケスへロングパスを出した。カンテラーノはいいクロスを送り、ウーゴ・ドゥロはゲデスが打ちやすいようにスルーした。しかし彼のシュートはいいポジションをとっていたベルディブランコのセンターバックに弾かれた。


 バレンシアが押している時、ベティスは大きなプレーの後ゴールを奪った。ペジェグリーニのチームは、ウーゴ・ドゥロが痛みを露わにしてピッチの上に転がり、交代を要求していたことによるバレンシアの数的不利のプレッシングを無効化した。ベティスの攻撃は困難を乗り越え、カナレスがペナルティアークで転がっていたボールをネットを奥に送り届けた。バレンシアへの罰はそれで終わらなかった。直後プレーで、バレンシアディフェンスの混乱を突いて、想像力溢れるプレーでボルハ・イグレシアスのファン・ミランダのクロスからのゴールを生み出した。3ゴールを奪い、バレンシアが現実と直面した試合でベティスは勝ち点3をメスタージャから持ち帰った。ここ何年もメスタージャのチームについて回ることであるが、夏の移籍市場で何が起こるか想像する楽しみもない、中位でのシーズン終了だ。そして想像しない方がマシだ。メリトン体制は罰に値しないファンに対して3シーズン連続で罰を与えた。