マトリョーシカ方式 | プーチンの日記

マトリョーシカ方式



さて、ソビエト社会主義「共和国連邦」と、
ロシア「連邦共和国」の違いについて述べましょう。

「共和国連邦」は、元首を抱く共和国の集まりです。
ソ連は、ソビエトという思想システムを核として、等質な共和国が
集うという方式でした。ソ連拡大のためには、思想の統制が必要
でした。ですから、思想システムが現実的に崩壊したときには
ひとたまりもなかったのです。

一方、「連邦共和国」は、国を集めて一つの共和国とみなし、
国家元首が統治するというシステムです。実際のロシアは、
「共和国連邦共和国」で、ロシア連邦内の一国にはさらに
小さな国や王様が含まれていることがよくあります。

これを私は「マトリョーシカ連邦方式」と呼んでおります。
すなわち、国の中に国が含まれ、そして全てをカバーするのは
ロシアであるという考え方です。

この方法では、連邦各国に対する思想統制の必要はありません。
非等質な構成国が多様な思想・文化のもとに、より大きな国に
内包され、そして一つにまとまっていくのです。

あなたはこれを決して独裁と言わないでください。このシステムが
アプローチするのは、権力集中または求心力を高めるとともに、
みんな仲良くおともだちの世界を実現することなのです。

ロシアはしばしば民主化後退だと批判されますが、それを代議制
システムを使った間接民主制の国に言われたくはありませんね。
仮に民主主義を厳密に実践するならば、今の人類では直接民主制
以外の方法は採用できません。そして、直接民主制を厳密に
実践できている国は、現在の地球上にはありません。

この間接民主制と、名ばかりの自由主義社会を進めていくと、
行き着く先は衆愚民主制、大衆迎合主義(ポピュラリズム)に
なります。俳優出身のレーガンがアメリカ大統領になった時点で
私は警戒し、「ピープルパワー」でフィリピンにエストラーダ政権が
誕生した時に確信し、ブッシュや盧武鉉が大統領・小泉が首相・
シュワルツェネガーが知事になったときには、「歴史とは恐ろしい
ものだ」ということを痛感いたしました。

仮にロシアがその方式を採用していれば、大統領はジリノフスキー
になっていた可能性もあります。いや、間違いないでしょう。

私もまだまだ至らない点はありますが、どうかこの
「マトリョーシカ連邦制」をご理解いただき、日本がロシア連邦に
参加していただくことを願ってやみません。

いや、いずれそうなるんですがね…