こんにちは。
卒業試験はここを見てくれている皆さまや周りの温かい応援のお陰で、無事に終えることが出来ました!
そして結果はなんと審査員満場一致で最高得点、つまり満点を頂くことができて、この先も忘れられないであろう演奏会となりました
すぐに報告したかったのですが次の日から仕事と引越しがあり、バタバタバタ、、、
試験の前日には元ルームメイトのファンと旦那さんのアリが家まで来てくれて、遅めの誕生日プレゼントを持ってきてくれました
大きな袋ににやーーり
なにこれなにこれー
わーーい!
と、黒の可愛いコートにはしゃいでおります。
お茶を飲みながら久々に色々なことを話していると、自然と笑みが零れてきて、きっと大一番に必要な息抜きの時間になりました。
そして迎えた試験当日。
体調はようやく回復して、天気にも恵まれ、遂にこの日を迎えたのかと気持ちは心持ち晴れやかでした。
大切な本番がある日は心身が自然と緊張している状態なので、少しのことで疲労感がどっと出てきます。
なので昼寝は必須。
脳をリラックスするのも兼ねてとにかく1回おやすみなさい( ˘ω˘ ) スヤァ
疲れはネガティブの素であり、舞台の上ではその場の精神状態が大きく関わってくるため、直前まで練習するより、身体を休ませてあげたほうが良い気がします。
もちろんケースバイケースですが。
夕方にアーヘンへ向かい、ピアニストと最終チェックをした後
あっという間に19時、開演です。
初めはモーツァルトのソナタ作品378番
この曲は人前で弾くことが初めての新しいレパートリー。
続けてイザイの無伴奏ソナタ第4番。
一瞬一瞬を丁寧に演奏するのを心がけて、不安があっても会場の雰囲気の暖かさに救われました
休憩を挟んでショスタコーヴィチのコンチェルト。
三年前からこの曲を卒業試験で弾きたいと思ってきた特別な思い入れのある曲です。
一楽章は陰鬱で暗く、悲しみも孕んだ重い雰囲気から始まります。
そして二楽章では機械のように無機質で乱暴な曲想の中に内なる情熱や葛藤が垣間見えます。
三楽章からのカデンツァは個人的に一番好きな部分なのですが、一番作曲家の内面的な感情が露呈されている楽章だと思います。
壮大なオーケストラとソロの掛け合いは、まるでロシア革命からのスターリンの弾圧下で起きた数々の凄惨な出来事、彼を取り巻く環境に打ちひしがれて、楽譜の中では涙を流しながらも、それでも打ち勝つんだという強い意志を感じます。
そして大興奮の中四楽章に突入し、お祭り騒ぎになります。
最終楽章はショスタコーヴィチが当時のロシアでの社会主義リアリズムの思想に沿うような意図のもと書かれたのではないでしょうか。
色んな人が与えてくれた力を感じながら全力を出し切ってこの壮大なコンチェルトを弾き終えると、会場から暖かい拍手が湧き、
「あぁ、お客さんに伝わったんだな」
と心が震えました
終演後友達たち
そして先生、ピアニストと
終わるとすぐに会議がされ、10分もすると結果と講評が言い渡されました。
結果もさる事ながら充実感に満たされて、遅くまで起きて待っててくれた日本の両親へ報告すると、
「本当に良かった…天国のおばあちゃんも喜んでるよ」
と、試験の前日に亡くなっていた事を知りました。
今日の演奏に影響しないように家族を含め親戚一同に箝口令が敷かれていたそうです。
にもかかわらず不思議なことにそんな予感がしていて、いつも可愛がって応援してくれていた祖母がきっと護ってくれていたんだと確信しました。
喜びと悲しみ、安堵と喪失感、様々な感情が渦巻いて複雑ですが、次の日には新たな気持ちで次の日はブラウンシュヴァイクに出発しました!
2週間以上休みを取っていたのでこれからこれからほぼ休みなく毎日仕事が入っています。
また年越し前の次の記事で卒試以降の出来事を書いていきます。
それでは皆さまメリーメリークリスマス
↑ケルンのクリスマスマーケット
↓ブラウンシュヴァイクのクリスマスマーケット