腹式呼吸はボーカルスクールに行けば必ず習う必須項目ではないでしょうか？
しかし腹式呼吸って本当に発声にとって必ず必要なんでしょうか？
「必要だから、どこのボーカルスクールに行っても必ずやるし、
ヴォイストレーニングの本を買うと必ず書いてあるんでしょ。」
生徒に聞くとこんな答えが返ってきます。
う～ん
間違ってはいませんが・・・・・
一言に腹式呼吸と言ってもいろんな考え方や、やり方があります。
正直やり方とかはどうでもよくて
大切なのはなぜそれをやるのか
やる目的が大事なのです。
プロ歌手でも腹式呼吸全然やってない人たくさんいますよー
僕が今までやってきた体験レッスンでは
レッスン経験者も数多くやってきました。
別のスクールに通いながら、セカンドオピニオン的にやってくる方も多いのです。
要するに今の先生に何年習っていても一向に上達する気配がないので、
不安になりやってくるのです。
（実際は上達しているのに気付いていない人もいますが・・・）
そんな生徒さんのレッスンが僕は一番楽しくてわくわくします。
大体の生徒さんが腹式呼吸を習っているというので
やってみせてもらうと
ゆっくり鼻ですって口から細く吐いていく
そしてその息でお腹が膨らんだりへこんだりする。
うーん
なるほど
その呼吸、歌の中で使えるかな？？？
大体の方がお腹が膨らむ事がゴールになっている場合が多く
それが声にどう影響するのかを全く意識していないケースが大半です。
鼻で吸う人が多いですが歌の中で鼻だけで吸うのは非常に効率が悪いです。
呼吸の感覚を掴むには良いかもしれませんが、
実際の歌の中で鼻だけで吸うのは難しいですよね。
口で吸う人もいましたが、大体細くゆっくりですね。
感覚を掴む為に習った事が全てで、
歌の中でどう使うかを実践していない人がほとんどで
実際歌ってもらうと呼吸は大体メチャクチャです。
そしてなぜ腹式呼吸が必要なのかを聞くと
「声が良く出るから」→どうして？？
「息がたくさん吸えるから」→ほんと？？
「呼吸のコントロールがしやすいから」→なぜ？？
「腹式がいいって言われたから」→あはははは
僕はトレーナーの教育もやっていたんですが、
なんと大手ボーカルスクールや専門学校からきた先生も
同じ答えをする方がいらっしゃいました。
あとたまにあるのは
「歌はよく褒められるんですが、
腹式ができているか、できていないかがよくわからないんですよ」
と・・・・・
もうすでに
歌じゃなく腹式呼吸がゴールになっていますね。
呼吸ができているかいないかは発声で判断しましょう！！
正直お腹が膨らんでいても膨らんでいなくてもどちらでもいいです。
簡単なやりかたですが、
「あーーーーーー」
と一定の音程、一定の強さでロングトーンを発声してみてください。
（一定の強さで声を伸ばしてみてください）
３秒か４秒くらいで十分です。
音程もあなたの得意な音程でいいです。
それが、ピタッと安定して声が伸びていれば、呼吸はしっかりとできて
いる可能性が高いです。
声が（音圧）ぐらぐら揺れたり、音程がゆらゆら揺れたりするようなら、
恐らく呼吸のやりかたになんらかの問題があると推測されます。
ちなみに
今まで何千人もの方の体験レッスンをやってきましたが、
１人もロングトーンを安定して出せた方に出会った事がありません。
レッスン経験５年以上の方も全員できませんでした。
え！？！
本当？！？
と疑問に思う方も多いと思いますが、
やってみてください。
あーーーーーーーーーーーーーー
と安定して出すのは実はかなり難しいです。
微妙なプルプルもだめですよ
呼吸とロングトーンの関係については
また今度という事で。