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 私は三日前に星空を眺めようと夜にある場所へと向かった。道中、山道を走っていると頭を何かがかすめて髪をさらっと触った。寒気がしたが、気のせいだろうと前向きに運転に勤しんだ。だが、次は寒気から大きな不安が遅い事故りそうな気分がして最上級の警戒態勢をとりハンドルを握った。

 その場所へと着くと、辺りは暗闇に包まれ唯ならぬ空気を感じて即座にUターンを行いその場所を去った。連れと非常に危険で怖い場所であったなと話していると、二つの小さな光がフロントガラス越しに見えた。なんだろうと眺めると鹿が道路を渡ろうとしていた。とても大きなその鹿は気をつけなはれや、と言っているようだった。

 それからと言うもの、猜疑心が強くなり精神が不安定で不調であるため、今日は神社へ行って、祓い給え、清め給えと願を掛けてきた。帰宅後、爆睡すると精神と脳髄が軽くなり健やかな気分になった。見えないものとは人間でいえば無意識で目に見えるものは意識だとすると、無意識の方が量が意識よりも多いので、目には見えないものが世界を支配しているのだなという感覚を味わった。

 そのような目に見えるもの=意識と目に見えないもの=無意識もきっと支えあって補いあって共存しているのだろうなと思うと、人間の小ささと生かされている感覚を痛烈に感じ生に感謝した。