人間、時にはおんにくを食べなければならん、それは、古来から人類は体力を補うがためおんにくを喰らっていたわけだから遺伝子or前世がそうさせるんぞな。と前の日は雨が轟轟と降りた後の翌日、私は静岡の街中へと旅立った。
 世界は物に溢れ、えっちとえむなる店で服飾を眺め、寝具でもまくらに特化した店でこのような専門的な物を扱う商売もあるのだなぁと感嘆。
 素早く動く鉄塊に乗り込み、一駅空間移動を行った。すると、そこは気高い建物が林立し沢山の人間が街頭を歩行、自転車が走行していた。自分以外の人を避けて我が道を進んでいくと、2910なる店を発見した。わかりやすい広告が目に付き歩を止めそれを眺めた。私の内奥から声がした。おんにくをおんにくをお肉を食べなはれ、と。私は銭の入った袋を探り硬貨と紙幣の数を数えた。視界に希望が広がり世界が茶色に輝いた。喰らえる。私は本日おんにくを我が身に取り入れ我が血肉となすことが可能だと判断した。
早速にも、2910なるおんにく専門の食べ物屋さんへ入った。メニューを眺めるとアンガス肉リブロースステーキ200g1000円と記入されていて以外のメニューは1000という数字を超越していた為、視界から外れた。よし!と迷いなく私は店の者にこのリブロースステーキ200g1000円をお願い申すと告げるとライスは?と返答、はてっと顔をすると、小、普通、大盛り、特盛り無料であると店の者がいうので、我が頭脳はWindowsMeほどの速さしかないが、その時だけはWindows7ほどの速さに突入、特盛りで、と応答した。店の者が去った後、私はふと思った。
 どんなにライスの量が多くとも少なくとも銭が変わらぬとはなんたる懐の深さであろうか、、、あぁ現代に生まれて良かったと父母に感謝した。感謝しながら、横の壁に貼られた広告を眺めアンガスについて、にくじゅうのことについて勉学した。そして、その時気付いたのである。そうか!2910とはにくじゅうのことか!っと私はその閃きに嬉しく思いビルゲイツのことを思った。
 すると、店の者がアンガス肉リブロース200g1000円を配膳してくださり私はおんにく様を崇め奉り掌合わせいただきますと滑舌よく言葉を発し、フォークとナイフを両手に掴みアンガスと対峙した。
 そこで出会ったのは弾力性、味の素晴らしさであった。なんたる美味しさであろうか。久方ぶりに美味しいおんにくを食べたよ、と心で呟きアンガスの事を思いながら、イングランドは素晴らしい国であるなぁと感嘆。
 私の遺伝子or前世は眩い光を放ちながら生の喜びを表出、現世の私の肉体は喜び太陽がより熱くエネルギーを我が身に与え、私の頭脳は林檎なみの立ち上がりの良さでパルコンなるビルディングへ乗り込みムラサキスポーツで運動靴を眺めたよ。