オキニな人 | 赤い糸、絡ませて。

オキニな人



まじまじと、わたしの左手の方を見て


「あれ、それって二つ無かったですか?」


と言った、職場のアルバイトの男の子。



見つめる左手にあるのは、

2ヶ月ほど前にTさんから貰ったペアリング。




秋まで嵌めていたのは、シルバーの幅の太めな指輪。

Tさんが失くしてしまったので、

予定外に新たに購入したペアリングの二代目は

以前の物と趣向が全く変わった、ピンクゴールドの細い指輪。


これだけデザインが違うのに。


二代目に変えてからと言うもの、

今まで 誰一人として そこに触れてこなかったのですよ。



この二ヶ月間。


親でさえも。笑



おいそれと触れる事でも無いのですけどね。




それをいきなり、「二つ(指輪)あるでしょ?」と言って来た彼。


一緒にいた他のアルバイトの女の子も、

それを聞いて「あ、ホントだ!」と変わっている事に気付いたらしい。

(気付いたって事は、一応覚えてたんだなあ・・・)



「よく覚えてるね」と驚きながら言ったわたしに、

「でしょー?覚えてますもん、僕」と答える彼。


何故か、得意げ。




このバイト君は面白い。


わたしより年下だけど、要領が良くてカシコイのだ。

多分、将来何かをやらかすと思えてならない。


けれど、その一方でユーモアの塊のような子。

一緒に仕事をしていると、話がどんどん逸れて行く。



私が前髪を切ったなら、

一ヶ月経とうが会う度に「あれ?あれ?前髪切りました??」と言い。

いきなり面と向かって「好きです。」と言って、

人があわあわと同様する様にほくそ笑んだり。


要はイタズラ好きな輩。

でも憎めないような子だったりするのです。


こんなが欲しいなあ。



・・・なんて、珍しい事を思ってしまう。




上司とのやり取りに憔悴し切っても、

それでもバイトの子達と仕事をすると、気分が上向く。


元気を貰ってます。彼らから。

最近それをひしひしと感じています。


そんな事は実際口に出さないですが。恥ずかしいから。