お役目
「一年間ありがとうね」
その言葉と共に、薬指に嵌められた指輪。
指輪二号です。
それまで、そこに落ち着いていた指輪一号は
二号の寝床(箱)で、ゆっくりおやすみ。
何をするにも一緒に着いてまわった奴なので
しかもちょっと幅の太い奴なので
一年経っただけでも、傷がたくさん付いていた。
何回あなたを机に打ち付けたことか。
水責めに遭わせたり、
ヨゴレさせたりだとか。
酷い主人でございましたね。
よくよーく目を凝らすと、ちょっと欠けてる。
それでも愛着の湧く奴でした。
「こいつも一年間お疲れ様やな。
本当ならこいつがずっと頑張る筈だったけど。」
そうなんだけどね。
相方が行方不明なのに、
ピンで頑張るのはちょっとね。酷よね。
お役目ご苦労様でした。
箱の中でゆっくり、おやすみなさい。