ひとり。 | 赤い糸、絡ませて。

ひとり。



わたしは自立心が人一倍高いのかなと思った。


けれど


それと同じくらい、依存心も強いんじゃなかろうか。



聞き分けの良い子になって

何でも器用に出来るようなフリをして

人に頼らず自分で解決したいと言って


それは一人が好きだからだよ、と言った。


誰の影響なのかは分からないけれど、

わたしは小さい頃から

周りの子と少しズレてたかも知れない。


落ち着いた子だとよく言われた。

年相応に見られない事も少なくなかった。

ある人には「何かを悟ってる」とまで。


一人で何処かへ出掛けることもよくあった。


一人は好きだった。

自由気ままに過ごせる気がしたから。



でも、最近になってようやく気付いた。

わたしは『孤独』では居られないんだなって。


いつも、

誰かの袖を掴んでいる。

自分の後ろに、何かしら誰かの気配を感じている。



それでも、わたしはそれを『一人』だと言う。



「寂しいから、手を握っていて欲しい」



なんて、口が裂けても言えやしない。


でもやっぱり、

空いた手が寂しいと言うから

こっそりと誰かの袖を掴んでいる。



それでわたしは言う。



「一人が好きだから」




何一つ、独りきりでは出来ないと知っているのに。


ひとりって何だろう。