前回の記事ではうつやアレルギーを抑えるために、
「ヨーグルト + オリゴ糖」 & 「野菜」
「ヨーグルト + ベジタブルウォーター + オリゴ糖」
を1日200gずつ、継続的に摂取しましょう。というお話を投稿しました。
詳細は前回の記事をお読みください。
今回の記事はその続きとして、腸内環境を整える「善玉菌」の驚きの役割についてお届けします。
テーマ『T細胞の強い味方「善玉菌」がつくる健康な心と身体』
人間に幸福感をもたらす幸せホルモン セロトニンの90%は腸内で作られ、脳に届けられます。
つまり腸内環境が良ければ、多くの幸せを感じることが出来ます。
マウス実験にて、
「うつ病のマウスは善玉菌が少なく、善玉菌を摂取すると状態が改善された。」
というものがあります。
腸と脳は「迷走神経」という自律神経で通じており、互いに作用し合います。
腸内細菌がつくる神経伝達物質が腸の神経を刺激すると、迷走神経を通じて脳に刺激が伝えられます。
するとその刺激に応じた脳内物質が作られ、それによって気分をも左右します。
良い刺激であれば幸せになり、悪い刺激であれば不幸せな気持ちになります。
では「腸内環境が良い状態」とは、「理想的な腸内環境」とは、どのような状態を指すのでしょうか?
腸内が善玉菌ばかりの状態を指すのでしょうか?
否!!
「腸内環境が良い状態(理想的な腸内環境)」とは
「腸内細菌のバランスが良い状態」を指します!
では、「腸内細菌のバランスが良い状態」とは?
善玉菌20% 日和見菌70% 悪玉菌10%
*日和見菌:健康な時には大人しくしているが、身体が弱まると悪さをする菌のこと
この腸内細菌バランスのことを指します!
善玉菌20%と聞いて、「意外と少ない」と感じたかもしれません。
しかし、この20%を維持することはとても難しいのです。
難しい理由① 「腸内はいろんな菌同士が争っているから」
腸内には様々な菌が約100兆個いるとされています。この菌たちは自分たちの陣地を広げるために、常に争っています。そのため、善玉菌にとって良い食事や良い生活習慣、良い精神状態にないと、あっと言う間に他の菌に陣地を奪われ生きていけなくなります。
難しい理由② 「油と砂糖とストレスが悪玉菌のエサ」
学校や職場でのイライラを、こってり唐揚げと甘いケーキで発散する!
これは最高に幸せを感じさせる組み合わせのように思われますが、善玉菌にとって、ひいては自分にとって最悪の組み合わせです。ストレスで荒れた腸内に油と砂糖は、悪玉菌にとって最高のエサとなります。最高のエサを得た悪玉菌は力をつけ善玉菌と争いますので、理由①にも書いたとおりあっと言う間に悪玉菌陣地を奪われてしまいます。
難しい理由③ 「自分と善玉菌には相性があるから」
私達にお気に入りの場所があるように、善玉菌にもお気に入りの腸内環境というものがあります。もしお互いの相性が悪いと、どんなに良い働きをする善玉菌でも体外に排出されてしまい、善玉菌の恩恵を受けられません。自分と相性の良い善玉菌を探す必要があります。
この3つの理由により、善玉菌20%を保つのはとても難しいことです。
これを保てなくなった結果、アレルギーなどの身体の健康問題・うつ病などのこころの健康問題・不登校や仕事に行けない生活上の問題を生むのです。
善玉菌20%を保つことが出来たのならば、次のような恩恵を受けられます。
① 腸の粘膜が健康な状態に保たれる。
善玉菌は腸内では人間にとって有益な働きをします。しかし、腸の組織内に入ってしまうと免疫システムに“敵”として認識され、不要な攻撃を始めてしまい有益な善玉菌が有害なものとして働いてしまいます。善玉菌が迷い込まないようにするために粘膜が必要なのです。これは人間にとっても善玉菌にとってもWin-Winな関係を保つためのバリア “粘膜バリア” と言います。善玉菌20%を保つことが出来ると、この粘膜バリアを作り守られます。
② 腸の免疫細胞の力を高める。
粘膜バリアが作られると、人間と腸内細菌とのに隙間が生まれます。この隙間は上記したように善玉菌が迷い込むのを防ぐだけでなく、病原菌の侵入も防いでくれます。そうなると過剰な免疫反応がなくなり、本当に必要なときに免疫細胞がその力を十分に発揮することが出来るようになります。そして善玉菌は時として、免疫細胞と合体して病気から身を守る働きまでしてくれます。
③ Tレグ細胞を増やす。
腸の免疫細胞の力が高まると、今度は免疫システム全体が正常に働き出します。では、「免疫システム」とはどんな仕組みなのでしょうか?「免疫システム」を簡単に説明すると、病原菌などへの“攻撃役のT細胞”とT細胞の“なだめ役のTレグ細胞”から成り立っています。体内でまず“未熟なT細胞”が生まれます。このとき腸内の善玉菌が少ないと、“攻撃役のT細胞”ばかりが増えてしまいます。攻撃役ばかりになると、本来身体にとって害にならないものまで攻撃してしまう暴走状態になってしまいます。この暴走状態がまさに アレルギー です。
しかし、腸内の善玉菌20%を保つことが出来たのならば、“攻撃役のT細胞”と一緒に“なだめ役のTレグ細胞”が生まれます。この“なだめ役のTレグ細胞”は“攻撃役のT細胞”が暴走するのを抑えコントロールします。“攻撃役のT細胞”が適切にコントロールされ、アレルギーを起こすことなく健康な身体を手に入れるためにも善玉菌20%を保つ必要があります。
善玉菌を摂取することの難しさと、それを克服したときの恩恵について理解いただけましたでしょうか?
身近な食生活を正すことが、免疫システムを正すこと。それが日常生活を正すことにつながります。
まずは自分に合う善玉菌を探すことを始めて下さい。
そして、その善玉菌を習慣的に摂取し続けられる工夫をして下さい。
難しいことですが、うまくいくと心身の健康、ひいては自分らしい幸せな生活を送ることが出来るようになります。
お手伝いを必要とするならば、 剛 大介(ごう だいすけ) にお任せ下さい。
ご質問やご相談等がありましたら、遠慮無く連絡を下さい。真摯にお答えいたします。
それでは次回の記事もご期待ください。
QOL(生活の質)向上コンサルタント会社「Vivid Ocean」
代表 剛 大介(ごう だいすけ)