●北イタリアの食文化を訪ねる旅 その1

新しい旅話ができる日までもう少しかかりますね。それまで過去に訪れた街の話を綴ります。今回はミラノです。私はオリーブが大好きで、11年前にオリーブオイルソムリエの資格を取りました。その年に(社)オリーブオイルソムリエ協会とNPO法人日本食育協会が「イタリアの食文化を視察するツアー」を企画してくれました。JTBやHISなどが催行する団体パッケージツアーではありません。各自フリーでミラノへ行く→ミラノで参加者が合流する→現地コーディネーターのアシストで食文化の視察旅行をするというものでした。

 

※ミラノの象徴ドゥオーモ

 

とにかくミラノまでは各々勝手に来いということでしたwww   私は〝おセレブ〟ではないので少しでも安い航空会社を使おうと、アエロフロートロシア航空を利用することにしました。いやあ、さすがロシア、きびしい塩対応でした。ホント、モスクワの空港での乗り継ぎに四苦八苦しましたよ。でもなんとか無事にミラノに着きました、何と夜の11時…

 

 

※スフォルツァ城

 

ミラノ・マルペンサ空港からシャトルバスで市内の中央駅まで行き、駅から近いホテルにチェックイン。シャトルバスが着く駅前から移動距離が短いこと、安いこと、看板がデカくて見つけやすいことを条件にホテルを探し予約していました。ネットで調べれば外観などの写真も載ってますからね。ヨーロッパの夜の街中は暗いです。駅から離れた市中のホテルの看板なんて見つけづらいです。道もボコボコでスーツケースを引いて移動するのは大変。ただどこの街でも駅の近くは治安が悪いのでリスクはあります。だから長旅で疲れていても、部屋に入るまでは緊張感を持って行動した方がいいですね。

 

※リグーリア州のオリーブの樹

 

オリーブオイルソムリエ協会の人たちと合流するまでの2日間はまったくのフリーで、笑っちゃうくらいあてどなくブーラブラしていました。新宿や渋谷をブラブラしているレベルwww   たった一つだけ叶えたかったことがダ・ヴィンチの「最後の晩餐」を観ること。この作品は美術館ではなく、サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会に併設する旧ドメニコ派修道院にあります。完全予約制でネットか電話で事前予約とクレカによる料金前払いが必要でした。渡航の2カ月前にがんばって日本からの電話予約に挑みました。

 

※サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会

 

さて当日、朝10時頃に教会に到着。外観をじっくり眺め写真を撮りました。メールで送られてきた予約番号をプリントして持ってきたので入口で見せて入館。1回25人15分の入れ替え制ですから、15分前には前室に並んでスタンバッてました。オーディオガイドを借りて待っている間に聴いたのですが、そのオーディオガイドの長いこと。最後の晩餐の解説になる前に拝観時間がきてしまいました。聴きながら観ると集中力が削がれるのでオーディオガイドのイヤホンを外しましたwwwだってわずか15分しか観れないんですよ。一生に一度の15分ですからね

 

さていよいよ10時半になり旧ドメニコ派修道院へと入りました。以前は食堂として使われていた部屋の壁に「最後の晩餐」はありました。ガイドブックによると、教会の壁画は通常フレスコ画手法で描かれますが、これはテンペラ画で描かれているとのこと。完成当時は美しい色彩でしたが、保存性が悪く、退色・剥離が進んでしまったということでした。高度な修復作業を経て公開に至ってはいますが…。

 

※サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会

※前室

 

この作品を至近距離で観た第一印象は「色が薄い…」でした。本などに載っている作品は、印刷の関係で濃い色調になっています。本物は、修復したとはいえ、やはり描いた当時の状態に戻すことはできなかったのでしょう。剥離した箇所が多くモザイク画のようなかんじでした。こんな第一印象を書いたら、西洋美術史を学んでいる人やダ・ヴィンチファンは怒るかもしれないですけど。でも絵から10メートルくらい後方に下がって眺めてみると、至近距離では分からなかった絵の全体像が観れました。

 

※「最後の晩餐」の絵ハガキ(現物は撮影禁止でした…)

 

そして、話はここから、ここからですよ。実は、じっと見入っていると、不思議なエネルギーを感じたんです。絵にオーラがあるというか、やはり力があるんですよ、薄いんですけど。なんかもうスピリチュアルな世界の話になってしまうけど。もう現世にあるこの絵が、異次元の世界へとつながっているような錯覚を覚えました。やっぱりすごい! ここにくることができて本当によかったと心から感謝しました。

 

※ピッツェリア「ラ・プレミアータ」のピッツァ

 

 

その後、ランチはナヴォリオ運河沿いのピッツェリア「プレミアータ」に行きました。なんか無性にしょっぱいモノが食べたくて、アンチョビのシチリア風ピッツァを頼みました。直径40センチくらいのでっかい生地にトマトソースとアンチョビ、黒オリーブが乗っていました。でっかいんですが、薄めの生地と窯焼きした香ばしい風味とシンプルな具でペロリと平らげました。とにかく生地が美味しかった。ピッツァとは具ではなく生地を食べるものなんだなって思いました。フチを丸めてソーセージを詰め込んだり何種類ものチーズをのせたり、日本のゴテゴテギトギトのピッツァとは違うなと思いました。

 

 

※デパート「ラ・リナシェンテ」7階のカフェ

(窓のすぐ向こうにドゥオーモの塔)

 

ちょっとブラブラしたら歩き疲れてしまいました。ドゥオーモの隣にリナシェンテというデパートがあります。その最上階にあるカフェでカプチーノを飲みながらまったりしていました。このカフェの窓からドゥオーモの白い塔が見えるんです。もう、目の前にそびえ立っているんですよ。このカフェは穴場でした。いつかミラノに行く機会があったらぜひ立ち寄ってみてください(コロナ禍で閉店してなければいいんですが)

 

※ピエモンテ州のブドウ畑

 

この旅は、●トリノのスローフード展「サローネ・デル・グスト」 ●リグーリア州オリーブオイル博物館 ●アルバ市のトリュフ祭 ●ピエモンテ州のワイナリー訪問 ●スローフード発祥の地ブラ市の大学ワイン貯蔵庫訪問など色々ありました。このうちいくつか面白かったモノをのんびり書いて行きます。その合い間合い間にB級ご飯やらタンジェロ(炭治郎)LOVEやら羽生くんやらブっ込むと思います。