久しぶりの読書投稿です。
『お勝手のあん  あんの夢』を読みました。
 

お勝手のあん、シリーズ第5巻。
 
もうすっかり知り合い、というか親戚のおばちゃん気分でお安の成長を見守っています照れ
 
本作では、自分の体験を思い出したエピソードが2つありました。
 
①お土産
生まれて初めて、仕事を休んで友人に会うために八王子までの長旅をしたお安。
 
帰りに、貯めてきたわずかな給金でお土産を買うシーン。
お世話になっている大切な人々、そのひとりひとりを想ってお土産を選ぶ姿が、ありありと目に浮かびました。
 
かくいう私は、若い頃はよく旅行をして、その度にお土産を買っていました。
 
父が死くなり、母が死くなってから旅行に行ったときのこと。
ああ、もうお土産を買えないんだ、と思ったとき、何とも寂しい気持ちになったことを思い出しました。
 
自分を待っていてくれるひとがいること、お土産を買えるということは、なんて幸せで喜しいことか。
 
「バラマキ用のお土産」なんてことばもありますが、義理、建前で買うのはあんまり楽しくないけどね。
 
②心に寄り添う言葉
品川が台風に襲われたときのこと。
宿の再建のために働くという人に対し、奥さんのそばにいてやるようにと政さんがかけた言葉です。
 
「心が砕けた時ってのは、誰でもいいからそばにいてやることが大事なんだ」
 
「そばにいる」というのは、物理的にも精神的にも、だと思うのです。
 
私の父が大腸がんになり、かなり深刻な状況であることがわかったときのこと。
仕事を通常通り続けるのが難しいと判断し、上司に相談しました。
 
そのとき、事情を知ったか知らないかは不明ですが、それほど親しくなかった女性社員が声をかけてくださいました。
 
「がんばれ」とか「大丈夫」とか、たわいもないことばだったと思います。
けれど、そのひとことに物凄く救われたのです。
あの瞬間、彼女は間違いなく私に寄り添ってくださっていた。
それが伝わってきました。
 
こういうひとことって、これまでの関係の長い、短い、濃い、薄いじゃないんだな。
瞬発力というか反射神経というか、人柄があらわれるものですね。
 
自分が病気持ちとなったいまは、より強く感じています。
 
あのひとことは、私にとってはどんな金銀財宝にも勝るものでした。
(って、金銀財宝をもらったことないけど笑い泣き
 
退職してからは一度もお会いしていないけれど、彼女への感謝、尊敬の気持ちはかわりません。
 

はげみになります。おもしろかったらクリックお願いします。

にほんブログ村 病気ブログ 乳がんへ
にほんブログ村