少し前になりますが「彼女を笑う人がいても」を観劇しました。

 

舞台は、安保闘争を取材した祖父がいた1960年と、入社以来、東日本大震災の被災者の取材を続けてきたその孫が生きる2021年。

しかも、被災者はコロナ禍での五輪に埋もれつつある。

祖父と孫を瀬戸康史さんが演じます。

 

祖父の道筋を辿る孫。報道とは何か。

本当の“声なき声”とは何か。

やがて60年以上の時を経て、ふたりの姿は重なっていく。。。。。。。

 

60年の安保闘争で、ある女子学生、”彼女”が命を落としたということ。

このとき、主要7新聞が「暴力を排し議会主義を守れ」との共同宣言を掲載したこと。

さらに、その死の真相が隠ぺいされていた思われるということ。

 

これらのことが事実として起こっていたことを全く知りませんでした。

60年たったいまでも、報道されないこと、あるいは誤って報道されることがあり、何も変わっていないという現実。

無力であっても、声を上げ続けなければ何も変えることは出来ない。

 

遅ればせながら、オリンピックやコロナという身近な問題に直面したいまだからこそ、このことが深く胸に刺さりました。

 

亡くなった女子学生の名前は一回しか語られず、その後は徹底して「彼女」と呼ばれます。

彼女の死は象徴としてとらえられ、テーマがより鮮明に迫ってきました。

 

瀬戸康史さん。

2つの時代を行ったり来たりして、文字通りでずっぱり。

怒りを内に秘めた姿が素晴らしかったです。

 

戯曲、演出、セット、照明、キャスト、全てが完璧でした。

愉快な題材ではないけれど、演者も客席もずっと緊張して集中していて。

上手く伝えられらないのがもどかしいですが、良い観劇体験でした。

 

観劇のチャンスのある方はぜひ!

12月22日(水)福岡市民会館・大ホール

12月25日(土)~12月26日(日) 刈谷市総合文化センター 大ホール

12月29日(水)~12月30日(木) 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール

 

 

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