俳優の緒形拳さんが肝臓ガンで亡くなりました。
71歳。今の時代、若いですよね。
ガンは老若男女、年齢は関係ないのは分っていますが残念でなりません。
一時期、映画の主役は「緒形拳」しかいないんですか…という時期がありました。
相撲で言えば、白鳳が横綱になる前の、ひとり横綱の朝青龍みたいなもの。
それだけ日本映画にインパクトのある主役を張れる役者が田舎ったんでしょうね。
年齢を重ねてからの緒形拳さんは温厚な性格、でも芯がピシッと通った役柄が多った印象ですが
私が最初に出会った拳さんは「必殺仕掛人」(73年)の藤枝梅安。痛快な役でしたが
真中の毒々しいマムシを思わせる風貌は今までにない時代劇ヒーローのイメージ。
後に山崎勉に代わりましたが、緒形拳さんの“梅安”は忘れられません。
74年に作られた「砂の器」。主人公に殺される朴訥な元警察官の役でしたが
梅安とは全く反対の役。「日本にも、こんなに凄い役者がいたんだ」と感じた思いが甦ります。
何でもこなせる役者、緒形拳さん。数々の名演技の中でも私のナンバー1は…
79年に公開された、この作品。前年に「これ以上ない」と思った“鬼畜”の演技。
それを糸も簡単にクリアしてしまった日本映画史上(私はそう思います)に残る名演技。
まさに「わしゃ、鬼になる拳」。
晩年がダンディーだっただけに、余計「鬼畜」~「復讐…」の鬼演技がひかりまくります。
「復讐…」を見ていない方は是非とも、この機会にレンタルDVDで見てもらいたい傑作。
日本映画を支えてくれた緒形拳さん。本当にありがとうございました。
心よりご冥福をお祈りします。 合掌
