少年時代 | 福助のほぼほぼ日記

福助のほぼほぼ日記

2005/6/14から14年間続けてきたヤフーブログからの引っ越しです。あっちのファンや友達にはこっそりとお引越し。みんな探してくれるかな。。。

先日、実家の近くをジョギングしていると前の方から歩いてくる人にどこか見覚えがあった。
近づいてくるにつれ、おぼろげだが大昔の記憶がうっすらと蘇ってきた。
彼はドンドン近づいてくる。
間違いなく見覚えがある。
通り過ぎる前に思い出そうとしたが、残念ながら彼のことを思い出すことなくすれ違ってしまった。
 
走りながら、
「誰だっけなー。。。」
と記憶をたどった。。。
10kmくらい走ったころ、突然思い出した。
「シゲちゃんだ!」
と。
彼は小学校時代の同級生で、同じリトルのチームメイトだった。
当時の私はまだ今みたいに一匹狼気質は全くなく、どちらかと言うといつも大騒ぎしている集団のど真ん中にいた。
夏でも冬でもいつも真っ黒に日焼けしてガキ大将だった私。
一方シゲちゃんは、お坊ちゃまで母親がいつも
「あなたは日焼けすると真っ赤に焼けどしちゃうからねぇ。」
と言ってシゲちゃんの顔に日焼け止めを塗るような色白の鼻の高いちょっとカッコイイタイプの子どもだった。
性格も優しくて、低学年の面倒もよく見る子だった。
シゲちゃんの野球センスは抜群で、3番でサード、背番号5だった。
4番はなぜか私が打っていた。ポジションはファースト兼リリーフピッチャーだった。
背番号はとりあえず3番。
おとなしいタイプのシゲちゃんとガキ大将の私は帰り道が一緒だったので特に仲が良かった。
そう!
それともう一人、「べっち」という奴がいた。
園部という名前から「べっち」というあだ名がつけられていた。
このべっちがキャッチャーで5番を打っていた。背番号2。
練習帰りにわざと小川沿いの道から遠回りをして帰り、さらにわざとその小川に入って歩いたり、魚を追い掛け回したりして家に帰る頃はびしょびしょのどろどろだったりした。
家が駄菓子屋だったべっちのおばさんは、そんな私達を見ると大笑いして喜び、売り物のアイスをくれたりした。
シゲちゃんのお母さんは、
「傷口から病原菌が入って破傷風にでもなったらどうするの!」
と半ばヒステリックに私達を叱った。
それでもシゲちゃんのおばさんも、縁側で私達にカルピスを作ってくれてもてなしてくれた。。。
ガキ大将の私と駄菓子屋のべっち、そしてお坊ちゃまのシゲちゃん。
異様な組み合わせだったが、当時のチームの押しも押されぬクリーンナップだった。
 
頭が良く、分析好きだったシゲちゃんはよく私とべっちに、
「あのピッチャー、外角低めばかりついてくるからベース際に立ったほうがいいよ。」
とか、
「コントロール悪そうだから、最初は見て行ったほうがいいよ。」
とか、
「初球ストライク置きに来るから最初からガツンとね!」
なんて打撃のアドバイスしてくれたりした。
私とべっちの打率の大部分はシゲちゃんのアドバイスのおかげだった。
 
細くてパワーはないけどヒットメーカーのシゲちゃん。
がっつり振り回す私。
ミート打法で外野の前に転がすのが上手いべっち。
いいトリオだった。
 
今でも思い出すことがある。
最終回裏、1-3で負けていた私達。
1アウト1塁でシゲちゃんがヒットで出た。
1アウト1,2塁。
私がセンター前ヒットで2塁ランナーがホームに帰り2-3とした。
1アウト2,3塁。
打席にべっちが立った。
 
2球連続でいいコースに投げられ見逃したべっち。
2ストライクと追い込まれた3球目。
ミートの上手いべっちはドンピシャのタイミングで球をはじき返した。
「カッキーーーーん!」
という硬球独特の甲高い音と共に、打球は私の頭の上を跳び越し、ギラギラと燃える太陽に向かって消えていった。
さよならスリーラン!
 
先にホームインしたシゲちゃんと私はべっちを迎え、おもいっきり抱き合い、
「やった、やった!」
の大騒ぎ。
主審が
「早く整列しなさい!」
と怒ってもしばらく大騒ぎしていた。
 
「俺、初めてホームラン打ったよ。」
と満面の笑みでべっち。
「べっち、すごいよー。僕もさよならホームランとか打ってみたいよー。」
とシゲちゃん。
「俺は、何本もホームラン打ってるシー。」
と超生意気に、だけど嫌味っぽくなく、冗談で言う私。
 
その夜、べっちの家では寿司パーティーだったと後で聞いた。
 
 
 
5年生の夏の合宿を経て、暑い夏の大会が終わり、2学期が始まった頃、べっちがいなくなった。
駄菓子屋に行くと店がなかった。
おふくろに聞くと引っ越したそうだ。
今思えば夜逃げだったのかもしれない。。。
たわしみたいに固い真っ黒な髪をスポーツ刈りにしていたべっちとはそれ以来会っていない。
 
それと時を同じくして、私も諸事情があって野球をやめた。
サッカーの某ジュニアのセレクションでたまたま受かったからというのが表向きの理由だったが、本当の理由は別にあった。(その理由はまた今度。。。)
 
一番仲のよかったべっちと私がリトルを抜けてから風の便りではシゲちゃんはしばらく淋しそうにしていたとのことだったが、元々育ちが良く優しくて人気者のシゲちゃん。
すぐに別の仲間と仲良くなり楽しく野球を続けた。
お互い地元の公立の中学に進んだ。
相変わらずのガキ大将の私。
そして野球部のヒーローになったシゲちゃん。
顔を合わせば一言二言話はしたけれど、それだけの関係にいつしかなってしまった。
私はサッカーの強い高校に、そしてシゲちゃんは私立の名門高校に進学し、それ以来一切会っていなかった。。。
 
 
走りながら、走馬灯のように蘇る少年時代の思い出。
太陽がキラキラとまぶしい。
 
 
 
シゲちゃんは歳はとったけど、相変わらず穏やかで優しげなイイ男だった。
声、かければよかったな。。。
 
キャッチボール、またやりたかったな。。。