2023年10/4【579】very good!難易度3

バンクシーと言えば。
1.5億円で落札されたとたんに絵画がシュレッダーで裁断されたにもかかわらず、その後28億円で落札!

彼はただのお騒がせ個性派アーティストなのか。
時代の波に運良く乗れたラッキーマンにすぎないのか。
一体何者?
近くでバンクシー展もやってるし!
というわけで勉強がてら読んでみた。


彼の作品は2018年に話題になった前述のシュレッダー絵画《風船と少女》くらいしか知らなかった。
これ…ステンシルでスプレー缶プシューしただけの絵なんじゃないの?

主にモノトーンで描かれたシンプルなイラスト、壁に落書きする神出鬼没のストリートアーティスト。
そんなイメージだったが意外が意外、バンクシー、普通にめちゃくちゃ絵が上手い(写実的という意味で)。

本書によれば。
内容や描かれた場所から考察するに、彼の作品は政治や国際情勢なんかを皮肉たっぷりに風刺してあり(ブラックユーモア多めでかなりパンチが効いている)、『そもそもアートとは何か?』を観る者に問いかけ、たえず複雑な議論を喚起しているという。

その好例がシュレッダー事件である。
「意味わかんない!」
まさに人々にそういう疑問を抱かせることが、バンクシーの狙いなのだという。

サザビーズが出したというこの絵画に対する声明がこちら。
『史上初めてオークションの最中に生で製作された作品』。

なんやねんそれ。
裁断前が1.5億円。
それも謎。
裁断後が28億円。
もっと謎。


美術界で動く数百億円単位の巨額すぎるお金。
意味不明と言われる現代アート。
加えて一般人にはなかなか興味が持てない様々な問題。
そこにグイグイ食い込んで『問い』を世間に投げかける彼のパフォーマンス。
まさにアートテロリストである。

芸術鑑賞に解説などいらない、感じるままでいい。
確かにそうなのだけれども、その作品が世に出た経緯を知ればもっともっと面白さを知ることができるし、また違った角度からも作品や世間に目を向けることができる。

現代美術には偏見しかなかったが、少しずつ楽しみ方がわかってきた、そんな気がする。

著者は言う。
『彼は壮大な詐欺師なのか、それとも反体制のヒーローか、はたまた洗練されたビジネスマンなのか』。
彼をどう評価するかは、彼の作品を鑑賞する私達一人ひとりに委ねられるのだろう。
答えなんてないのだから。


最後に、私が気に入ったバンクシーの名言(?)をどうぞ。

『許可をもらうより、謝って許してもらうほうが常に簡単です』。

あははは、そりゃそうだ。
とりあえず、まずはなんでもまずやってみよう。


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