2022年7/18【558】普通からのvery good 難易度4

「ミステリー好きならこれを読んで!」
と勧められた本書である。

なんだけど
「本作を一番目に読むのではなく出版順に読んで!」
とアドバイスされ読み進めてきた、島田荘司の御手洗潔(すごい名前)シリーズ第3弾である。


前2冊は『実際に実行するとなると大がかりすぎるトリック』にお腹がいっぱいになった。

それにしては今作はやけにトリックがあっさり…うーん、でももし実際に実行するとなるとやはり「犯人!オツカレ!」と言いたくなるかもね…、という印象。

前2冊同様のハデな連続殺人事件が起こるわけでもなく、にもかかわらず相変わらずトリックが多少込み入っているものだから、そこは考えるのが面倒なので多少脳内でハショりながら「ふーんそうなの」と普通レベルで読み進める。


が!

最後の最後で!
まさかの涙要素到来!

こうきたか…。
涙ジワ~(泣かなかったけど)。

読了後は思わず拍手である(してないけど)。


実を言うとトリックと最後のオチの予想は、なんとなーく付いていたのだけれど。
このように小説として読まされる中でのタネ明かしはなかなか熱くなるものがありますね。


ちなみに本書では、ドビュッシー作曲のアラベスク1番がキーミュージックとして話に彩りを添えていた。
偶然にもつい最近までその曲を練習していたので、作品にもグッと親近感を覚えた。


とっても良いシリーズを読んだ感、強し。
例えて言えば『ドラゴンクエスト3/そして伝説へ』的なワクワク感だろうか。

細かい点を言えばツッコミ所もあり単品の話としては『普通』だったけれど、御手洗潔シリーズとしては『very good』と言いたくなった作品である。

こういう、本をまたぐ(時をまたぐ?)作品はニクいですね。
前2作ももう一度読みたくなりました。

面白かったです!
ご紹介いただいたブロガーY様、ありがとうございました!

🌼コメント宜しくお願いします😊🌼