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2022年3/18【526】very good 難易度3
どうしても笑いたいから高野秀行を読もう!第2弾。
『誰も行かないところへ行き、誰もしないことをして、それを本にする』をモットーとしている辺境ライターの著者。
いつもなら本気で珍獣を探しに秘境なんかに行っちゃうんだけど、今回は異国『トーキョー』にいる外国人との交流を書いてみる…まぁよーするにエッセイである。
高野氏の本を読むと必ずと言っていいほど思うことが2つある。
まず1つめ。
世界(地球)は私が思っているより以上に小さいということ。
アマゾンの奥地もアフリカのコンゴも、彼にとってはご近所感覚だ。
ちょいと自転車で沖縄まで行っちゃおうか、とか。
タイへ行くのに飛行機は使わずに中国大陸を縦断してベトナム経由で入ろうか、とか。
下関から船で釜山に渡り韓国を縦断してまた船に乗ってから大連に上陸しようか、とか。
ひょいと(ではないのかもしれないけど)やってしまう。
敢えて面倒な道を選ぶ。
敢えて時間のかかる方法を取る。
これはバックパッカー(?)なら普通のことなのだろうか。
うーーーーん。。
それじゃ逆に私は、そんなに楽をして時間を節約してまで、一体何をしたいのだろうか…。
そしてもう1つ。
『英語(外国語)を学ぶこと』の意味について。
高野氏は言語オタクで、辺境を旅する際に必要だからと「ちょっと髪型変えようか」的なノリでひょいひょい(ではないのかもしれないけれど)外国語を学ぶ。
中国語フランス語スペイン語はもちろん、リンガラ語、ボミタバ語、ワ語、エトセトラエトセトラ。
私にはどこの国の言葉かすらもわからない。
学んだ言語は20にものぼるという。
違う言語を話す人々との交流の様子を本で読んで思う。
これこそが生きたコミュニケーションなのだと。
それに比べると、英語の筆記テストで高得点を取ることに一体何の意味があるのかと。
完璧でなくていい、ほんの少しでかまわない。
どんどん人と話す。
そこからいろんな世界や考え方を知ることができるのだ。
朝から晩まで会社に縛られ上司に怒られ、休みの日なんてグータラするだけ。
方や、風呂トイレ共同の三畳一間に住みつつ、時間に縛られずお金が尽きるまで悠々気ままに世界を旅する。
どちらが良い悪いではないけれど、人生を謳歌しているのは一体どちらだろう。
私を『大爆笑』させてくれるレベルには達しなかったことだけが唯一惜しい点だったが(というか活字だけ読んで大爆笑だなんてかなり難易度高し)、なかなか考えさせられ、ちょっと切なくクスッと笑える、そんな相変わらずの高野節が爽快な一冊。
笑うだけでいいのなら少年ジャンプ読んでればいい、ということに最近気が付いた私である。
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