2022年2/18【519】very good 難易度3

『続編』というものにはツマラナイものが多い。
にもかかわらず、Amazonの評価が1作目よりも高かったので読んでみた。


うん。
良かったです!

叙述トリックなのかはわからないけれど、体感ページとして最後の10頁まで犯人がわからず、容疑者も現れず、
「ちょっとどうなってんのよ!犯人誰?真相はどうなってんの?」
と翻弄されてしまった。

うう~ん、気持ちいい!←M?

真相がわかったときは
「Oh~!」
という感じである。
まぁまぁ潔く騙された?と言えるのではないだろうか。


本書はかつて実際に起こった『光市母子殺害事件』を元に作られているのは間違いないだろう。
フィクションだとわかりきってはいるものの、読みながら実際の事件のことに思いを馳せると、居たたまれない気持ちになる。


要するに前作に引き続き『心神喪失者の行為は罰しない、心神耗弱者の行為はその刑を減軽する』という『刑法39条』が話の核となっているのだ。

それだけでなく、少年法や精神疾患患者との関わりや向き合い方、世間体や肩書きや。
司法とは、正義とは、弁護とは。
刑罰を受けることとは、精神鑑定とは、医療とは。
色々な問題提起のあるミステリー小説だ。

その上で、さして難解なトリックもなく、読者の思い込みをタネ明かしするだけで見事に真相を明らかにする手法は、なかなかレベルが高い。←偉そう


仕方ないがちょっとグロいシーンが多すぎるように感じた。
私の想像力が乏しいため、グロさの効力があまり発揮できなかったのは幸いであった。

ちなみに今回登場した音楽は、ベートーヴェンのピアノソナタ《熱情》。
ダダダダーンは交響曲第五番《運命》のモチーフか、なるほどね、言われるまで気が付きませんでした。。

ナイス選曲である。


ちなみにこちらは完全な続編なので、もし読まれる方がいらっしゃったら前作からお読みください。

🌼コメント宜しくお願いします😊🌼