2021年12/21【499】very good難易度2

「ガンジス河でバタフライをしてきました!」
面接試験でそう言いたいがためにガンジス河でバタフライをしてきた、たかのてるこさんの海外一人旅エッセイ。


著者のたかのさんは島田紳助に
「日本で一番おもろい素人」
と見込まれ、本書はドラマ化映画化までされたそうな。

わりと過激な旅行記ばかりを好んで読む私としては、内容はまぁ普通の『旅行記』である。

でも。
彼女の行動の裏にある理由、自分がどうなりたくて、どうしたらいいのか、どうすべきなのか、そんなことを自問自答しながら旅をしていく様は読んでいて
「わかる~~っ!」
という共感しかなかった。

あぁ皆(というか少なくとも著者は)、私と全く同じことを考えて悩んでいるんだ、と。

自分以外の全ての人が輝いて見えて、自分も何者かになりたくて、でも恐くて一歩が踏み出せなくて。

だけど勇気を出して、物理的な意味だけではなく、外の世界に無理矢理飛び出したとき。
頼れるのは自分だけ。

そのなかで当たり前の小さな一つ一つに感動を覚える彼女の気付きにはハッとさせられる。


なんでも持っていきだすと本当にキリがない。
→ 荷物のことだけじゃなくて、普段の生活でも言えるんじゃないかな。
「欲しい」ものなんて、キリがないもの。


ただの「グッド」でこんなに話ができるとは。
→ 心のない「グッド」ボタンよりも、生のリアルのコミュニケーションがどれだけ心が通っているか。だけれども、流暢に話すことよりも、『気持ち』が大切なんだよね。


島国育ちの私には国境という概念がない。
→ 言葉で知っていても実際には知らないことがたくさんある。


「動く」ってスゴい!
→ 今ここにいるのは、すべては私が動いたことから始まったんだ!


特に、カースト制度の名残を目の当たりにしショックを受けたり、価値観の違う人達に振り回されまくったインドでの話と、それに伴う彼女の心の葛藤(悟り?諦め?受容?)が、とても印象的だった。
そして、平和ってなんだろう?公平ってなんだろう?と、一緒になって考えるきっかけにもなった。


あと、これは私も最近特に痛感しているんだけど、『ノリ』ってホント~に大事!

ノリでやっちゃう。
勢いでやっちゃう。
細かいことは考えないでとにかくスグやっちゃう。
楽しい前提でやっちゃう。

そうするだけで、きっと毎日がすっごく楽しくなるんだろうなと、基本的にものすごくノリの悪い冷めた人間の私はつくづく思うのであった。


生きている実感がほしい。

大丈夫、心を開けば、回りには仲間がいる。

ブロガーのK様に捧ぐ


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