2021年7/15【453】very good 難易度3

人類史上最恐の頭脳を持つマッドサイエンティスト、人間のフリをした悪魔。
フォン・ノイマンと、第二次世界大戦と。


戦争が起こると科学は飛躍的に進歩する。

プリンストン高等研究所にロスアラモス国立研究所。

アインシュタインはじめ、マンハッタン計画のロバート・オッペンハイマー、水爆の父エドワード・テラー、コンピュータの父アラン・チューリング…

そんな天才達を影で牛耳っていた(?)天才中の天才、ジョン・フォン・ノイマン!

か、かっこいい~!


私は天才が大好きなのだが、本書を読むまで名前を知らなかった(恥)。
エジソンより、テスラ。
アインシュタインより、たぶん、ノイマン。


俗に言う『天才』には、幼少のころ苦労したり、性格に問題がありそうな人(凡人のただの僻みだったりして)も少なくない。
ニュートンもエジソンも、絶対に敵に回したくない嫌なタイプだし、世界的数学者には病んでる人も多そうだ。

ところがノイマン。
金銭的にも交遊関係も申し分のない家庭に育ち、才能・人脈にも恵まれまくっている。
人当りもよく皆から慕われ、人を妬むこともなく(妬みようがない?)、交渉術に長け、有り余る年俸をもらい、非の打ち所のない妻をゲットし、子供も天才、先見の明まであり…etc.
とにかく、人生全てにおいて順風満帆。
極めつけに、超天才ときたもんだ。


そんな彼の功績はとてつもなく大きい。
コンピューターも、ゲーム理論も、スマホの基(ノイマン型アーキテクチャー)も、天気予報さえをも、彼は生み出した。

科学の進歩を何よりも最優先し、特許を取得して権利を一人占めすることもしなかったノイマン。

なのに何故、
彼は有名ではないのか?
(私が知らなかっただけ?)


そして何より、何故彼は、
『人間のフリをした悪魔』
との異名を持つのであろうか。

ジョン・フォン・ノイマン。

彼は一体何者なのだろう。
そして、第二次世界大戦下の科学界事情、科学の発展と、名だたる天才達の、苦悩とは。


タイトルにある『哲学』という程の哲学的な話は載っていなかった。
ではなぜタイトルに『哲学』とあるのか?
それはぜひ本書を読みながら、考えてみてもらいたい。


彼に関する本を一冊読んだだけで、これが彼の全てだというつりは毛頭ないが、『天才』達の生き様を知ることができ、ノイマンの天才ぶりと科学史が面白すぎて非常に読みごたえがあった一冊。


ノイマンを作曲家に例えると~?

メンデルスゾーン家に生まれ、リストの性格を持ち、バッハ並みの質量の仕事をやってのけ、しかし世間一般的にはベートーヴェンほどの人気度のないモーツァルト、ときどきワーグナー。

そんな感じかな(どんな感じ?)。


🌼コメント宜しくお願いします😊🌼