2021年6/30【447】very good 難易度4

歴史は繰り返す。
人類は同じ過ちを、何度も何度も繰り返す。


学校で習う歴史なんて、大まかな輪郭のほんの一部に過ぎない。

歴史から、先人達の失敗から、こんなにも人類が『全く何も学んでいない』とは!

今も昔も、失敗(陰謀とも言える?)の裏にあるのは、権力・お金・どきどき女。
懲りないねぇ。

勝手に生態系をいじっておいて、大きすぎるしっぺ返しを食らう。
懲りない懲りない。

そしてちょっとばかりの、たった一人の愚かな行動が、地球の宝や地球そのものを壊滅的に破壊してしまうこともある。
全く、懲りてない。


前代未聞の最悪の出来事を引き起こされ続け今に至る『現在のこの世界』を作ったのは、天才でも偉人でもない。
間抜けでイカれた絶対君主達と、お金儲けに目が眩んだ科学者達。

そしてそれを侮って横で見ていた自信過剰な側近達と、各種バイアスがかかって事の重大さを見抜けなかった周囲の人々。


科学界全体が集団思考にのまれた特異な水・ポリウォーター。

貪欲な金儲け主義から有鉛ガソリンとフロンガスの二度に渡って地球を汚染した、発明家トマス・ミジリー。

おバカと快楽と残忍とが紡ぎだす狂乱のシンフォニー、オスマン帝国。

教科書では割愛されているのであろう、面白すぎる世界史に、乾杯。

…いや、面白がってちゃいけませんね。
そこから何か、教訓を得ないといけませんね。


一般的に語り継がれる歴史なんて全てが真実なわけではないし、決して嘘はないとしても、事実を隠して伝えられることも多い。
今日の世界は、成功ではなく『失敗』の上に成り立っている。

言い換えると、その『世界の失敗』も『人類の失敗』も、それがあったからこその『今』なのだ。


貧富の差や戦争といった、現在世界で起こっている数々の悲惨な出来事は、元をたどれば『農業』が始まったせい。
では、農業の始まりは人類最大の失敗だったのか?
そうではないだろう。


塞翁が馬ではないけれど、今やっていることが正しいか否かは、俯瞰して長期的に見ないと正確な判断なんてできない。
専門家の意見なんて、笑っちゃうくらい全然参考にならない。


本書を読んで感じたこと。
何だろう?

先のことなんてわからないのだから、皆失敗してきたのだから、何が何処でどうなるかなんてわからないのだから、縦横無尽に何でもやってみよう。
というのとは、ちょっと違う。

計画を立て、将来を考えて、少しは慎重に行動しよう。
それもちょっと違う。


何万年と続く歴史の中では、私の人生なんて一瞬のうちにも入らない。
振り返ると、もしかしたら間違いだらけの不幸な時代に生きているのかもしれない。
何かの犠牲になっているのかもしれない。

だが、だからこそ、せめて自分の思考だけは誰にも邪魔されず、幸せを感じた者勝ち!
なんじゃないかな。

なんてことを、シンデレラ城のモデルとなったノイシュバンシュタイン城を作り、ワグナーのパトロンとなり、「頭のおかしいルートヴィッヒ二世」と言われたバイエルン王の話を読みながら考えた。


難を言えば、仮にも世界史の本なので、登場人物の馴染みのない片仮名がややこしかったり、私の国際情勢に対する知識が乏しく、ちょっと難しかったかな。


人類は、そして私自身、懲りずにまた同じ過ちを何度も繰り返し続けるだろう。 
だけど、やっぱり人生、
楽しんだ者勝ち!



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