2020年10/26【384】very good 難易度4

私は合理的なせっかち人間だと自分でも思う。
全てにおいて無駄なく合理的、かつ効率的にやりたい。
と思って時間術の本なんか読み漁っているのだけど。

ところが世の中『不合理だから』上手くいってるんだと。
どういうこと!?


本書を読んで思ったことは、人間誰しも
■自分を認めて欲しい。
■そんな自分すらも、自分を認めたい。

潜在意識としてそう思っているんだろうなということ。

だから、
お給料が上がるより(本当に合理的だったらそれだけで満足するはず)
「頑張ったね、あなたのおかげだよ」
の一言が欲しいし、

自分を良く見せたいから人前で緊張するし、

自分で苦労して作った(やり遂げた)ものには、簡単に手に入れたものより人並み以上の愛着を感じるのだ。
(高級料理テイクアウトより、手料理が美味しいって?!)


面白かったのが
『自分が何かの代償を支払ってでも、裏切った相手を罰したい・復讐したいと思う不合理な欲求』があるという事実。

わかるー(笑)!!
そして、確かにとっても不合理!!


そしてそんな『不合理』な行動を取るおかげで、人間は
■他人の苦難に手を差し伸べられるし、
■人生を変えるほどの大きな出来事にも、いつか『順応』するし、
■いっときの感情にまかせた決定が、長い間にわたって行動を左右することもある。

のだ。

よく「直感に従え!」と言うけれど、実はその直感が、何気ないその行動が、良くも悪くも無意識の『不合理性』に操られている。
その事実を知っておくたけでも、生きるのが、ちょっとだけ楽になる気がする。


特に

『何にでも順応するおかげで、長い目で見れば、良いことが起こっても思ったほど幸せにはならないし、悪いことが起きてもそれほど不幸にはならない』

というのには、救われた気がした。

…まぁこの不合理性をネガティブな方向に活用し、不幸モードから抜け出せないこともあるだろうけどね。


本書の内容からは少し離れてしまうが、だからやっぱり、まずはせめて自分だけでも!自分を嫌いにならずに、自分で自分を認めてあげること。
それが、精神衛生上不可欠で、必要最低限なことなんだな、と思ったのが読了後の感想。

本書に登場するモニタリング的実験と、大火傷から生還した著者自身の体験談が興味深くて『人間て面白い!』と感じた、ダン・アリエリーのシリーズ第2弾でした。


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