2020年 7/28【357】音楽の読み物としてはgood 難易度2


ショパンコンクール開催中に起こる爆破テロ。
犯人は?そしてその動機は?シリーズ第三弾。


ピアニスト探偵・岬が、なんと今度はショパンコンクールファイナリストに!?
どんだけ~。

内容としては漫画【ピアノの森】を恩田陸が【蜜蜂と遠雷】風に書いた的な感じかな。
本作含めどれも『ピアノコンクール』を題材としたものなので内容が似通うのは仕方ない点を差し引いても、ショパン好きには非常に楽しめる一冊だった。

というのも【蜜蜂と遠雷】同様『音』と『演奏』を『文字』で表す表現力が非常に素晴らしい!

ショパンコンクールなだけに数多のショパン曲が作品に登場するのだが、著者によるアナリーゼ分析に難所や感情表現等の解説がとても詳しく、興味深く、面白く、終始感心しきり。

今度弾くときには是非とも参考にしたい。
まぁどれも私が弾けるレベルの曲ではないのだけれども。


ただ専門用語も普通に出てくるので、ショパン(ピアノ)に詳しくない人には意味がわからないかもしれない。
YouTubeで曲を味わいつつショパンの魅力を感じながら読んでいただければ。


ただ、これは…
ミステリー要素はあるものの、ミステリーとしての評価は普通以下だなぁ。
敢えてミステリー入れなくても、ショパコンの話に絞ってもよかったのでは?
とも思うが、それだと【ピアノの森】を読んだ後ではどうしてもパクり感が否めない。

エチュード10-1から間髪入れずに10-2に入るヤポンチク、『代理戦争』に『ポーランドのショパン』…
『自分の音楽を好きになる』『良くて入賞、悪ければ選外』…

…これはピアノの森の話ではありませんよ?

似ていてもいいんです。
ピアノ愛に溢れているから。


さてさて、2020年は5年に一度のショパンコンクール開催年でしたが、コロナで延期されてしまいました。
2021年は無事開催されますように。


🌼コメント宜しくお願いします😊🌼