2019年 5/8【230】excellent!!

この物語は、
『地球』を測定し『メートル法』を定義しようとした科学者達の熱い熱い戦いの記録である!!

時はフランス革命、複雑極まる社会情勢の中
『世界共通となる尺度を定義するのは今しかない!』
と科学者達が立ち上がった。

フランスとスペイン、敵対する二つの国々にまたがる子午線測定に選ばれた二人の天文学者。

移動距離約4千km、道なき山々を登り三角測量に適した高い場所を探す。
なければ土地の所有者にその都度交渉し塔を建て(!)測定する。
スパイ容疑をかけられ何度も投獄される。
電話も車も計算機さえもない中、偉業としか言いようがない。

権威であるが故、途中ある秘密を抱えてしまい次第に精神を病んでいく一方の天文学者。
すれ違い崩れ行く友情。
いつの時代も変わらぬ権力名声嫉妬がらみの人間関係のいざこざや疑心暗鬼が問題を一層複雑に。

幾多の苦難を経て『メートル法』を確立したフランスが、メートル法を拒絶した一番最初の国に。
なんという皮肉!
莫大な予算と計り知れない労力を注いだこのミッションは結局何だったのか。
『誤り』『完全』とは一体何なのか。


普段当たり前に使っている『メートル法』にこのような歴史があったとは!
分厚くて読了まで時間がかかったが久しぶりに素晴らしい本に出会えた。
歴史を知るって面白い。

いやー久しぶりに本読んで興奮したわー